51探花

本文へ ナビゲーションへ
ここから本文です

复雑な生态系を维持するシンプルな仕组み

【発表のポイント】

  • 复雑な生态系のバランスがいかにして保たれているかは生态学における未解决问题
  • 生物种の「一人胜ち」を防ぐ仕组みが、生态系のバランスを保つ键であることを理论的に示した
  • 生态系の成立が理解できるだけでなく、効率的な多様性保全法の开発など応用にも期待

■ 概要:東北大学生命科学研究科の川津一隆助教、近藤倫生教授のグループは、自然のバランス注1)が保たれる仕组みを世界に先駆けて解明しました。1972年、理论生态学の権威ロバート?メイ博士が「复雑な生态系は不安定である」という、従来の予想を里切る理论解析结果を报告し研究者たちを惊かせました。注2)しかしながら、この理论予测は复雑な自然生态系が実际には存続している事実と矛盾しており、自然のバランスが保たれる仕组みの解明が待たれていました。本研究グループは、生态系における生物种の「成功(どれほど繁栄するか)」の程度によって、生物が他の种から受ける影响が変化することを组み込んだ数理モデル注3)を構築?解析しました。その結果、「成功するほど邪魔される」あるいは「失敗するほど助けられる」といった、「一人勝ち」を防ぐ仕組みが少しでもあれば、生態系が複雑でも、そのバランスは容易に保たれうることを発見しました。本研究の結果は、生物種間の関係性のあり方が自然生態系の維持を説明するだけでなく、多様性保全の鍵となることを示唆しており、基礎?応用両面から重要なものといえます。本研究の成果は,日本時間の2018年5月23日午前8:00に英国科学誌「Proceedings of the Royal Society B」にオンライン出版される予定です。なお、本研究は科学技術振興機構CREST及び日本学術振興会科研費の助成を受けて行われました。

■ 用語解説
注1)自然のバランス
自然のなかには非常に多くの种类の生物种が共存していて、その数は地球全体で数百万ともいわれています。これらの生物种はさまざまな関係を通じて互いの个体数に影响を及ぼし合っています。最も竞争に强い种だけを残してほかの生物种がいなくなってしまわないのはなぜでしょうか。饵となる生物が足りなくなったり、ほかの生物に食べ尽されたりして、生物が絶灭するということがあまり生じていないのはなぜでしょうか。互いに関係する多くの生物种が个体数を极端に増やしたり、减らしたりすることなく、长い间共存できることをここでは「自然のバランス」と呼んでいます。「自然のバランス」が保たれる仕组みの解明は生态学における最も重要な课题の1つです。

注2)ロバート?メイの理论(あるいはメイの理论)
Robert May(ロバート?メイ)は1972年に生態系の複雑性と安定性の関係についてそれまでの考え方を覆す重要な理論研究の成果を発表しました。種間関係によって生物の個体数が増減する様子をとらえた数理モデルを利用して、種の数が多い生態系ほど、そして関係を結んでいる種ペアの数が多い生態系ほど、個体数の時間変化が不安定になることを理論的に予測したのです。それまで、自然生態系の複雑性こそが自然のバランスを保つのだと期待されてきましたが、それとは全く逆の予測をもたらしたのです。この理論予測は、自然は複雑だからこそバランスがとれているのだと信じていた当時の生態学者に驚きを持って迎えられました。この理論予測が登場することで、複雑な生態系(種数が多く、種間の関係の多い生態系)がどのような仕組みで維持されているかを解明しようとする研究が盛んに行われるようになりました。

注3)数理モデル
直接的な実験や観察が困难なときには、しばしば模型が利用されます。例えば、车の安全性能を调べる衝突実験には、本当の人间ではなくて、人间の特徴を备えた「衝突実験用模型」を利用するのが普通です。自然科学の研究においても、研究対象とする现象や系の注目する特徴を抽出し、そのような特徴を备えた数学的な模型を使って研究を进めることが可能です。このような数学を利用した模型のことを数理モデルと呼びます。本研究では、たくさんの生物种が互いに助け合ったり、食べたり、食べられたりすることで个体数を変动させる様子をとらえた数理モデルを利用しています。

详细(プレスリリース本文)PDF

问い合わせ先

(研究に関すること)
东北大学大学院生命科学研究科
川津 一隆(かわつ かずたか)
電話番号:022 795 6696
Eメール:kazutaka.kawatsu.d5*tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)

(报道に関すること)
东北大学大学院生命科学研究科広報室
髙橋 さやか(たかはし さやか)
電話番号:022 217 6193
Eメール:lifsci-pr*grp.tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)