2018年 | プレスリリース?研究成果
植物成長に伴う細胞壁ペクチン合成の仕組みを解明 ?植物の陸上進出の鍵でもあった?
【発表のポイント】
- 植物はペクチンを主成分の一つとする细胞壁を合成しながら成长する。
- ペクチン主锁を合成する糖転移酵素を発见し、ペクチン合成の仕组みを解明した。
- この酵素は、これまで报告されていない遗伝子ファミリーに属していた。
- この遗伝子ファミリーは、植物の陆上化と共に现れたもので、ペクチン合成は植物の陆上化の键を握る。
【概要】
生命科学研究科植物细胞壁分野の西谷和彦教授と黒羽刚助教は、立命馆大学(学长:吉田美喜夫)生命科学部の石水毅准教授、加藤耕平(大学院生)、立命馆グローバル?イノベーション研究机构の竹中悠人博士研究员らの研究グループ、また、名古屋大学、甲南大学との共同研究で、植物が成长する际に作られる植物细胞壁(注1)成分ペクチン(注2)の合成の仕组みを世界で初めて明らかにしました。
ペクチンは复数の糖成分が锁のようにつながって形成されますが、その主锁を合成する糖転移酵素(注3)を発见し、この酵素が新しい遗伝子ファミリー(注4)に属することを见出しました。この遗伝子ファミリーは植物の陆上化(注5)と共に现れたものであり、ペクチンを作るようになったことが、植物が进化の过程で陆上化した一つの要因であることを示しました。本発见により、植物の伸长成长の仕组みの一端が明らかとなり、成长を早めた作物の育种に応用できます。ペクチンはゲル化剤として食品添加剤にも用いられており、発见した酵素を活用して新规机能を持つゲル化剤の开発への応用も考えられます。
本成果は、2018年8月6日英科学誌Natureの姉妹誌「Nature Plants」2018年8月号に掲載されました。また2018年8月号のNews & Viewsのコーナーで本研究が記事として紹介されます。本研究は、文部科学省科学研究費補助金、日本学術振興会科学研究費、立命館グローバル?イノベーション研究機構の支援を受けて行われました。
図.植物の成长に関わる细胞壁ペクチンの合成酵素を発见した
【用语解説】
注1 植物细胞壁:
植物细胞の外侧を取り囲み、セルロース、ヘミセルロース、ペクチンの多糖类、リグニンを主成分とする构造体。ペクチンに富み、成长时に合成される一次细胞壁と、セルロースやリグニンに富み、成长终了后に肥厚する二次细胞壁に分けられる。
注2 ペクチン:
成長に関わる一次細胞壁や細胞接着に関係する細胞間に多く存在する。ガラクツロン酸、ラムノースなど13 種類の糖成分から構成される複雑な構造をしている。ラムノガラクツロナンI、ラムノガラクツロナンII、ホモガラクツロナンといった3つのドメインから構成されている。条件によってゲル化する性質をもつ。
注3 糖転移酵素:
糖を転移して、多糖などの糖质化合物を合成する酵素の総称。糖锁の构造は糖転移酵素の特异性により决められている。
注4 遗伝子ファミリー:
塩基配列および机能が类似している遗伝子群。进化の过程で现れたり、遗伝子重复により数が増えたりする。
注5 植物の陆上化:
进化の过程で植物の祖先が水中から陆上へ进出したこと。约5亿年前に、緑藻类から进化して车轴藻类(もっとも原始的と考えられている陆上植物)が现れたと考えられている。
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问い合わせ先
东北大学大学院生命科学研究科
教授 西谷和彦(にしたに かずひこ)
电话 022-795-6700
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