2019年 | プレスリリース?研究成果
電流‐スピン流変換の正確な評価法を確立 -次世代不揮発性メモリー素子(MRAM)の設計指針を提供-
【発表のポイント】
- スピンホール角(电流―スピン流変换効率)の正确な评価方法を确立
- スピンホールトンネル分光法と弱反局在解析を併用
- スピン轨道トルクを用いた不挥発性磁気メモリー素子などの设计指针を提供
【概要】
中川原 圭太(東北大学工学研究科博士後期課程 学生)、新田 淳作(同教授)、好田 誠(同准教授)らの研究グループは、Luqiao Liu(米国?マサチューセッツ工科大学 教授)、三谷 誠司(物質?材料研究機構 スピントロニクスグループリーダ)、葛西 伸哉(物質?材料研究機構 スピン物性グループリーダ)の研究グループと共同で、スピンホールトンネル分光法と弱反局在解析※1を併用することによりプラチナ笔迟薄膜のスピンホール角を正确に评価することに成功しました。スピンホール角はスピン轨道トルクを用いた高速?低电力不挥発性磁気メモリー素子(次世代惭搁础惭)の设计指针となります。
スピンホール角は电流とスピン流の変换効率に対応し、スピン轨道トルク※2やスピンゼーベック効果※3の大きさを决める重要なパラメターです。スピンホールトンネル分光法と弱反局在解析を併用することにより、笔迟やタンタル罢补などの重金属だけでなくトポロジカル絶縁体や二次元层状物质など新材料のスピンホール角を正确に评価することが可能となります。また、スピンホール角はスピン轨道相互作用※4の起源解明や次世代惭搁础惭などのスピンデバイスを设计するうえで最も重要な値であることからこの分野の発展に大きく贡献することが期待されます。
本成果は、米国科学誌「Applied Physics Letters」のFeatured Articlesに選ばれ2019年10月14日オンラインで公開されました。なお、本研究は、独立行政法人日本学術振興会 科学研究費助成事業の助成を受けて行われました。
図1 スピンホールトンネル分光
【用语解説】
※1 弱反局在解析
量子力学によると电子は粒子でありかつ波の性质をもつ。このため伝导体中で散乱を受けながら自己干渉し伝导に寄与しなくなる定在波状态(局在状态)を形成する。この电子の局在状态は磁场により电子の位相が変化すると量子干渉が破れ电気伝导度が増加する。一方、干渉中にスピンが缓和する场合は干渉効果が逆転し弱反局在现象と呼ぶ。この弱反局在现象の解析からスピン缓和长を求めることができる。
※2 スピン軌道トルク
笔迟や罢补のような重金属でスピン轨道相互作用の强い材料中では电流の方向と垂直にスピン角运动量を运ぶスピン流が生じる。このスピン流が磁性体中に流れこむとトルクを生じ磁性体の磁化方向を反転することが可能となる。
※3 スピンゼーベック効果
磁性体に温度差をつけると温度勾配と平行にスピン流が生じる现象。磁性体中で生じたスピン流をスピン轨道相互作用の强い金属に注入すると逆スピンホール効果により电荷の蓄积を生み出し起电力として取り出すことが出来る。このため磁性体/金属积层构造を作ると热电変换デバイスとなる。
※4 スピン軌道相互作用
电子が电界中を运动することにより磁界を感じる相対论的効果。このため电界によりスピン操作が可能となる。また、电荷の流れと垂直な方向にスピン流を生じるスピンホール効果の原因ともなる。
问い合わせ先
东北大学大学院工学研究科
担当 新田淳作
TEL: 022-795-7315
E-mail: nitta*material.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(报道に関して)
东北大学工学研究科情报広报室
担当 沼澤 みどり
TEL: 022-795-5898
E-mail: eng-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)