2020年 | プレスリリース?研究成果
岛弧下の新しい水循环モデルを発表
【発表のポイント】
- 沉み込んだプレートから放出される塩分を含んだ热水は、マントルの鉱物粒间に浸み込んで移动しやすいことを高温高圧実験により実証。
- このような热水がマントル中を浸透?上昇して、前弧モホ面(注1)近くの高电気伝导度帯を形成。
- 沉み込み帯における水収支问题(「失われた流体」)の解明に寄与。
【概要】
东北大学大学院理学研究科地学専攻の博士課程学生?黄永勝(Huang Yongsheng)、中谷貴之研究員(現:産業技術総合研究所研究員)、中村美千彦教授らの研究チームは、ドイツ?バイロイト大学バヴァリアン実験地球化学?地球物理学研究所との共同研究で、沈み込んだプレート上面から島弧地殻下に至る超臨界流体(注2)の输送に関する新しいモデル(図1)を発表しました。
日本のような沉み込み帯では、水を主成分とする超临界流体が楔形マントルに供给され、火山活动や地震活动を引き起こしていると考えられています。しかし、この流体の移动経路やそのメカニズムには诸説があり、未だに确立されていません。
今回、研究チームは、沉み込んだプレートから放出される流体が塩分を含むことに着目し、塩分を含む流体が楔形マントルの幅広い温度?圧力?塩浓度条件において、主要构成鉱物であるカンラン石の表面を良く濡らして粒间に浸透することを高温高圧実験によって明らかにしました。楔形マントルの海沟近くでは、温度が相対的に低く、结晶构造内に水酸基を含む含水鉱物が安定に存在し得るため、このような流体はマントルと反応して含水鉱物として固定されます。一方、温度の高い岛弧の地下では、マントルを溶融させてマグマを発生し、流体はマグマに吸収されると考えられます。これらの间の领域(岛弧前弧下)では、流体はマントル构成する岩石の粒间を浸透し上昇できると考えられます。このような塩分を含んだ流体の性质は、日本をはじめとする岛弧前弧域のモホ面付近で见つかっている高电気伝导度帯の形成メカニズムを説明できるとともに、沉み込んだプレートからの供给量よりも、火山活动などによる放出量の方が少ないという「失われた流体」问题の解明に寄与するものです。
本研究の成果は、2019年12月5日Nature Communications誌に掲載されました。
図1 本研究で提案された沉み込み帯の水循环モデル。沉み込んだプレート(スラブ)から放出される塩分を少量含んだ水を主成分とする超临界流体は、地殻との间の"楔形マントル"のほぼ全域で岩石の粒间に浸透できる。前弧(岛弧の海沟侧)域の地下には、流体成分が、含水鉱物を形成して固定される海沟付近と、マントルを溶融させてマグマに溶け込む领域の间で、スラブから放出された流体が粒间を浸透して移动できる领域が、窓のように存在すると考えられる。このような流体の移动経路は、前弧のモホ面近傍に电気伝导度の高い领域が形成されることを説明できるとともに、スラブから供给された流体が何処に运ばれるのか、という问题の解决につながる。
【用语解説】
(注1)前弧モホ面
岛弧-海沟间の地殻―マントル境界。
(注2)超临界流体
高温高圧状态において液体の水と気体の水蒸気との区别がなくなっている状态。
问い合わせ先
(研究に関すること)
东北大学大学院理学研究科地学専攻
教授 中村 美千彦(なかむら みちひこ)
电话:022-795-7762
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(报道に関すること)
东北大学大学院理学研究科広报?アウトリーチ支援室
电话:022-795-6708
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