2020年 | プレスリリース?研究成果
量子アニーリング装置による量子シミュレーションを実行 -非平衡量子統計力学理論の実証とさらなる発展に貢献-
【発表のポイント】
- 量子アニーリング装置で量子シミュレーション(模拟実験)を実行
- 磁性体の非平衡量子统计力学理论がその成立条件を外れても成立していることを発见
- 量子アニーリング型量子コンピュータの新たな応用分野を开拓
【概要】
东京工业大学の西森秀稔特任教授らの研究チームは、D-Wave Systems 社(用语1)の量子アニーリング(用语2)装置(量子アニーリング型量子コンピュータ)を用いて磁性体内部に欠陥ができるメカニズムの理论を検証するために量子シミュレーション(用语3)を実行しました。
量子コンピュータの理论は、理想的な动作をする量子ビット(用语4)を想定して构成されています。しかし、今回の量子シミュレーションにおいては、実际には理想的な状况とは异なる动作をしている明确な証拠が见つかり、その影响を考虑して结果を解析する必要性が明らかになりました。
また、欠陥の数の统计分布に関する最近の非平衡量子统计力学理论も理想的な量子ビットを前提としているが、理想的な状况から乖离した実験条件下でもその理论が成立していることが见出されました。理想的な条件で导出された理论がその条件が満たされない场合にも成立することを、量子コンピュータを用いて発见した世界初の例といえます。
今回の研究成果は量子アニーリング型量子コンピュータの実験装置としての有用性を示したものであり、高速性にのみ注目が集まりがちな量子コンピュータの研究开発の今后の方向性に多大な影响を与えるものと期待されます。
この研究は東京工業大学 科学技術創成研究院 量子コンピューティング研究ユニットの坂東優樹研究員、須佐友紀研究員(現NEC)、西森秀稔特任教授らと、東北大学、埼玉医科大学、ドネスチア国際物理学研究センター(スペイン)、南カリフォルニア大学(米国)との共同研究で、米国時間9月8日付けで米国物理学会が発行するPhysical Review Research(フィジカル?レビュー?リサーチ)誌に論文が掲載されました。
図1. 原子スケールの微小磁石(青や黄色)の向きが変わる部分(赤の矢印)が欠陥。
【用语解説】
(1)D-Wave Systems社:量子アニーリング方式による量子コンピュータを开発、市贩しているカナダの公司。
(2)量子アニーリング:组み合わせ最适化问题を解くための量子力学に基づいた汎用性を持つアルゴリズム。
(3)量子シミュレーション:スーパーコンピュータを含む従来型のコンピュータでは计算困难な量子力学の问题を现実の実験系で人工的にシミュレートする方法。
(4)量子ビット:2つの状态の量子力学的な重ね合わせ状态を実现することができる基本素子。
问い合わせ先
东北大学大学院理学研究科 物理学専攻
柴田尚和 准教授
Email: shibata*cmpt.phys.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
TEL: 022-795-6440
東北大学大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻
大関真之 准教授
Email: mohzeki*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
TEL: 022-795-5899
(取材申し込み先)
东北大学大学院理学研究科
広报?アウトリーチ支援室
Email: sci-pr*mail.sci.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
TEL: 022-795-6708 FAX: 022-795-5831