2021年 | プレスリリース?研究成果
理论计算による高効率な磁気构造予测手法の开発に成功
【本学研究者情报】
〇本学代表者所属?职?氏名:金属材料研究所计算材料学センター?准教授?铃木 通人
【発表のポイント】
- さまざまな磁性体が示す复雑な磁気构造を、高精度で効率よく予测できる计算手法の开発に成功し、既存の磁気构造データベースを用いた详细なベンチマークを行った。
- クラスター多极子と呼ばれる、新しい基本构造による磁気构造の生成手法を导入し、现実的なレベルまで计算コストを削减した。磁気构造データベースに基づく网罗的研究としても世界で初めての试みとなる。
- 本研究成果は、机能性反强磁性体の探索や设计に有用である。反强磁性体を用いた磁気デバイス素子等の形で社会还元されることが期待される。
【概要】
東京大学大学院新領域創成科学研究科博士後期課程学生のMarie-Therese Huebsch、同大学大学院工学系研究科物理工学専攻助教の野本 拓也(科学技術振興機構さきがけ研究者)、教授の有田亮太郎(理化学研究所チームリーダー)、東北大学金属材料研究所計算材料学センター准教授?大阪大学大学院基礎工学研究科スピントロニクス学術連携研究教育センター招へい准教授の鈴木通人(科学技術振興機構さきがけ研究者)らの研究グループは、さまざまな磁性体[注1]が示す複雑な磁気構造[注1]を、高精度で効率よく理論予測できる計算手法の開発に成功しました。これは、スピン密度汎関数理論[注2]と呼ばれる計算手法と、同研究グループが提案したクラスター多極子理論[注3]に基づいた成果で、既存の手法に比べて約30分の1程度の計算コストで磁気構造を予測することができます。本研究成果は、理論主導に基づく新規磁性体探索に有効で、次世代型磁気デバイス素子の開発に向けた磁性材料設計への貢献が期待されます。本成果は「Physical Review X」に2月16日付で掲載されました。
図 1 クラスター多極子を用いた磁気構造表現の概念図。仮想クラスターと呼ばれる特殊な原子配列(A)と連続空間における多極子の概念(B)を組み合わせることで(C)、元の結晶における磁気構造(D)を表現します。結晶のもつ対称性によって異なったクラスター多極子を考えることで、現実の物質で実現する磁気構造をうまく再現することができます。
【用语解説】
[注1] 磁性体?磁気構造?強磁性体?反強磁性体
结晶中の原子は电子の自転运动に起因した微小な磁石(スピン)をもつ场合があります。各原子のスピンが一様な方向に揃い、全体として磁石のように振る舞うものは强磁性体、それぞれが互いに打ち消しあっているものは反强磁性体と呼ばれます。物质中ではさまざまなスピン配置のパターンが実现しますが、これらの构造は総称して磁気构造と呼ばれます。
[注2] スピン密度汎関数理論?第一原理計算
量子力学のシュレディンガー方程式にしたがって、 物質中の電子の運動をコンピュータで計算する方法を第一原理計算と呼びます。密度汎関数理論は、第一原理計算の中でも電子密度をベースに物質の性質を計算する手法で、固体物理や量子化学の分野で頻繁に用いられています。この手法を磁性体に対して拡張した手法はスピン密度汎関数理論と呼ばれています。
[注3] クラスター多極子理論
电荷や磁荷の空间分布は、双极子や四极子などの多极子と呼ばれる概念で特徴付けられることが知られています。クラスター多极子理论は物质の磁気构造を多极子によって表现する手法で、各物质のもつ対称性の情报を阳に含んだ形で定式化されています。
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東北大学金属材料研究所 情報企画室広報班
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E-mail: pro-adm*imr.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)