2021年 | プレスリリース?研究成果
分子の吸着で磁石を創る 吸着分子に依存した磁気相変換の実現
【本学研究者情报】
〇本学代表者所属?職?氏名:金属材料研究所?教授?宮坂 等
【発表のポイント】
- 小分子の吸着により、磁石でない状态から磁石へと変换可能な多孔性材料の开発に成功しました。
- 吸着させる化学种に応じて得られる磁石の性质(相転移温度?磁気秩序)が多様に変化することを明らかにしました。
- 吸着化学种に依存して复数の磁気相间変换を実现する材料は世界初です。
【概要】
磁石本来の単なる性能向上にとどまらず、従来の磁性体では実現不可能であった機能を発現する磁石や、磁石のON/OFF機能を併せ持つ磁石の開発が注目されています。東北大学学際科学フロンティア研究所の張俊 助教と金属材料研究所の高坂亘 助教、宮坂等 教授の研究グループは、株式会社リガクの佐藤寛泰 博士との共同研究により、ベンゼンなどの小分子を吸着させることで、磁石でない状態から磁石へと変換する新たな多孔性材料の開発に成功しました。
今回开発された材料は分子性多孔性材料*1の一种で、层状构造になっており、その层の间にベンゼンなどの小分子を出し入れできるのが特徴です。元々、この分子性多孔性材料は磁石としての性质を持ちません(常磁性状态*2)。しかし、ベンゼンやジクロロメタン、キシレンなどの有机小分子を吸着させるとフェリ磁性体*3になることを确认しました。逆に、吸着させた小分子を脱着させることにより元の常磁性体に戻ります。一方で、二硫化炭素を吸着させた场合には、反强磁性体*4という、ベンゼン等の场合とは异なる磁気秩序状态*5へと変わることも见出しました。本现象は、小分子が分子格子の构造変位を伴って包摂状态を安定化させることにより、分子格子の电子状态が包摂前后で変化することにより生じます。これまでに小分子の吸着により、磁石でないものを磁石へと変换した例はありません*6。このような材料は、化学的刺激により駆動する新たな分子デバイス創製に繋がると期待されます。本研究成果は、2021年4月14日付け(現地時間)で米オンライン科学誌「Journal of the American Chemical Society」にオンライン掲載されました。

【用语解説】
*1 分子性多孔性材料 ゼオライトや活性炭、シリカゲルのような無機物のみから構成される従来の多孔性材料に対して、金属イオンと有機配位子から構成される多孔性材料の総称です。金属―有機複合骨格(Metal-Organic Framework; MOF)や多孔性配位高分子(Porous Coordination Polymer; PCP)などと呼称されます。金属イオンの配位環境と有機物の持つ高い分子設計性に特徴があり、ナノサイズの細孔を利用した気体吸蔵?分離?触媒?センサーなどの分野での応用が期待されています。
*2 常磁性状态 物质の电子スピンがバラバラの方向を向いているために非磁性であるが、磁场を印加すると、その方向に弱く配列する性质を常磁性と言います。常磁性を示す物质を常磁性体といい、常磁性体は、强力な磁石を近づけるとそちらに引き寄せられます。しかし、磁场を取り除くとスピンはまたバラバラの方向を向いてしまうため、常磁性体は、いわゆる磁石としての性质は持ちません。
*3 フェリ磁性体 隣接スピン同士が逆方向を向く相互作用が働いている场合でも、スピンの大きさが异なるため、その差分により物质全体としては磁石になる物质をフェリ磁性体と言います。
*4 反强磁性体 物质中の电子スピン间に磁気的な相互作用が働き、それが叁次元的に长距离に及ぶことにより磁石となります。一般的な磁石は通常、强磁性体、あるいはフェリ磁性体のどちらかです。磁石には磁気相転移温度が存在し、それより高い温度领域では常磁性体となります。しかし、隣接する电子スピン同士が逆方向を向く相互作用(反强磁性的相互作用)が働き互いに打ち消し合う场合には、物质全体としては磁化を持たず、通常の意味での磁石とはなりません。このような物质のことを反强磁性体といいます。反强磁性体にも磁気相転移温度が存在し、それより高い温度领域では常磁性体となります。
*5 磁気秩序状态 常磁性、强磁性、反强磁性、フェリ磁性をはじめとする様々な电子スピンの配列の様式(磁気秩序状态)を総称して磁気相といいます。常磁性は秩序を持たない状态であり、强磁性、反强磁性、フェリ磁性は磁気秩序を持つ状态です。一般的な自発磁化を示す"磁石"として机能するのは、强磁性、フェリ磁性の磁気秩序状态であり、反强磁性は、通常の意味での磁石としての机能は持たない磁気秩序状态になります。
*6 多孔性磁石 磁石を磁石ではなくする例としては、酸素や二酸化炭素の吸脱着を利用した磁石の翱狈-翱贵贵(磁気相変换)が可能な材料が、これまでの研究において见出されていました。东北大学プレスリリース2019年1月16日および2020年12月1日
问い合わせ先
◆研究内容に関して
东北大学金属材料研究所
错体物性化学研究部门 教授
宫坂 等(ミヤサカ ヒトシ)
罢贰尝:022-215-2030
贰尘补颈濒:尘颈测补蝉补办补*颈尘谤.迟辞丑辞办耻.补肠.箩辫(*を蔼に置き换えてください)
◆报道に関して
东北大学金属材料研究所 情報企画室広報班
罢贰尝:022-215-2144 贵础齿:022-215-2482
贰尘补颈濒:颈尘谤-辫谤别蝉蝉*颈尘谤.迟辞丑辞办耻.补肠.箩辫(*を蔼に置き换えてください)
東北大学学際科学フロンティア研究所 企画部URA
铃木 一行
罢贰尝:022-795-4353
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