2021年 | プレスリリース?研究成果
スギの"香り"が語ること ?生物起源揮発性有機化合物放出の地理変異を解明?
【本学研究者情报】
〇本学代表者所属?職?氏名:大学院農学研究科 生物共生科学分野?教授?陶山 佳久
【発表のポイント】
- スギによる生物起源挥発性有机化合物(叠痴翱颁?注1)の放出パタンが地域的な集団によって大きく异なることを発见しました。
- 叠痴翱颁の组成と量が、気候だけでなく病原菌组成にも影响を受けている可能性を示しました。
- 树木が生育する地域の环境に适応するため、化学的な防御手段をどのように进化させてきたかを探る键となり、今后の育种や森林管理の基盘となるでしょう。
【概要】
一般に「森の香り」として知られる生物起源の挥発性有机化合物(叠痴翱颁)は、さまざまな环境ストレスに対する植物などの抵抗力に大きな役割を果たしており、大量に放出される场合は周辺の大気环境にも重要な影响を与えると考えられています。しかし、地理的规模での物理的环境や生物的环境が、放出物质の多様化とどのように関係しているのかについては、ほとんど知られていません。
东京大学大学院农学生命科学研究科の日浦教授らのグループは、遗伝的に异なる全国12集団の天然スギから放出される叠痴翱颁を同一环境下で定量し、テルペン类(注2)の组成と量が集団によって大きく异なることを明らかにしました(図1)。さらに同グループは、叠痴翱颁放出は集団が分布する地域の気候だけでなく、病原菌组成とも密接な関係にあることを见出しました。
优占树种の机能的な特徴は生态系に波及的に影响を及ぼすため、今后は全国に大规模に植栽されているスギのさまざまな地域系统品种の机能に注目するとともに、叠痴翱颁を介した树木と病原菌の相互作用も考虑した育种や管理が、気候変动対策としても求められるでしょう。
図1 12集団のスギから放出されるテルペン类の组成と量。略号は集団名
【用语解説】
(注1)生物起源挥発性有机化合物
植物などから放出されるガス状の有机化合物で、テルペン类などその一部は森の香りの元となっている。大気中での反応性が高く、大量の放出はエアロゾル(微粒子)形成などを通して気候へも影响すると考えられている。
(注2)テルペン类
イソプレン単位(颁5H8)から构成される炭化水素で、植物などによって作り出される生体物质。イソプレン単位の数に応じてモノテルペン(颁10)、セスキテルペン(颁15)、ジテルペン(颁20)と呼ばれる。
问い合わせ先
东北大学农学部?农学研究科総务係
Tel: 022-757-4005
E-mail: agr-syom*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)