2021年 | プレスリリース?研究成果
低酸素によって脳障害が起こる新たなメカニズムの解明 脳卒中や心停止に対する治療法開発に期待
【本学研究者情报】
〇本学代表者所属?职?氏名:医学系研究科?教授?赤池 孝章
加齢医学研究所?教授?本桥 ほづみ
【発表のポイント】
- 低酸素になると脳では硫化水素や过硫黄化物が蓄积しやすいことがわかりました。
- 繰り返して硫化水素に曝露すると、硫化水素や过硫黄化物への抵抗性が生まれ、それにより低酸素に対しても强くなることがわかりました。
- 脳虚血や心停止などによる脳の低酸素障害の新たな治疗法开発が期待されます。
【概要】
哺乳类の脳は低酸素になると障害を受けやすいことがわかっていますが、その分子メカニズムは不明でした。东北大学加齢医学研究所遗伝子発现制御分野の本桥ほづみ教授と同大学院医学系研究科环境医学分野の赤池孝章教授の研究グループは、ハーバード大学医学部?マサチューセッツ総合病院麻酔科の市瀬史教授らの研究グループとの共同研究により、脳において硫化水素?过硫黄化物の代谢を促进すると、低酸素における脳の障害が缓和されることを発见しました。低酸素になると细胞内のミトコンドリアの硫黄呼吸が亢进しますが、それに伴って硫化水素?过硫黄化物のレベルが増加します。しかし、脳ではそれらの代谢酵素である厂蚕翱搁*1が少ないため、厂蚕翱搁が担う硫黄を利用したエネルギー产生がうまく进まず、硫化水素?过硫黄化物の毒性が出やすいことがわかりました。本研究成果は、脳虚血や心停止などの际、脳を低酸素による障害から守る新たな治疗法开発につながるものと期待されます。
本研究成果は、5月25日に英国の学術誌Nature Communications誌に掲載されました。
図1 厂蚕翱搁による硫化水素の代谢と低酸素状态における硫化水素の増加
细胞のエネルギー产生工场であるミトコンドリアには、电子伝达系が存在しており、エネルギー产生を行っている。酸素が十分に利用できる环境(左)では、电子伝达系から酸素に电子が渡されて、酸素は水になり、それに伴いエネルギーが产生される。この过程には硫黄代谢が共役しており、発生する硫化水素などの还元硫黄は厂蚕翱搁により代谢され、さらに、硫黄酸化物として排出される。一方、低酸素状态(右)では、酸素が十分に电子を受け取ることができず、超硫黄分子からの还元硫黄产生が増加する。厂蚕翱搁の机能が不十分であると、还元硫黄が増加して电子伝达系を抑制してしまうことになる。
【用语解説】
*1 SQOR:Sulfide (硫化水素)-Quinone (キノン) oxidoreductase (オキシドレダクターゼ) の略。硫化水素や過硫化水素を酸化して、ミトコンドリアの電子伝達系に存在するユビキノンを還元する酵素。生理的な機能としては、ミトコンドリアにおける硫黄代謝を担う酵素の一つで、ミトコンドリアのエネルギー産生を支える役割がある。高濃度の硫化水素に対しては解毒酵素として働く。
问い合わせ先
东北大学加齢医学研究所
担当 教授 本桥ほづみ
电话 022-717-8550
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