51探花

本文へ ナビゲーションへ
ここから本文です

タンパク質の液-液相分離現象をその場で定量評価 ~神経変性疾患の発症機構の解明の応用に期待~

【本学研究者情报】

〇大学院薬学研究科 生物構造化学分野 教授 中林孝和

【発表のポイント】

  • 神経変性疾患(注1)の発症との関连が指摘される液-液相分离现象の定量解析法を开発した。
  • 液-液相分离によって生じた液滴内のタンパク质の构造、浓度、构成成分を単一液滴の状态でその场で计测することに成功した。
  • 液滴内のタンパク质浓度は周囲の环境によって変化し、液-液相分离において液滴周囲の环境が重要であることがわかった。

【概要】

筋萎缩性侧索硬化症やアルツハイマー病などの神経変性疾患では、原因タンパク质の线维化が発症原因として提案されています。この线维化については、液-液相分离と呼ばれる现象によって生じたタンパク质の浓厚液滴から形成されることが提案され、液滴をターゲットとした创薬研究も进められています。

東北大学大学院薬学研究科の村上一輝氏(大学院修士課程在学中)、梶本真司准教授、中林孝和教授ら は、神経変性疾患の発症との関連が指摘されているタンパク質の液-液相分離現象を評価する技術を開発しました。

本研究では、ラマン顕微镜(注2)と呼ばれる装置を 用いてタンパク質の単一液滴を定量解析できる手法を提案しました。この方法を用いて神経変性疾患であるマチャド?ジョセフ病関連タンパク質の液滴の観測を行い、液滴内のタンパク質の構造、濃度、そして構成成分を単一液滴の状態でその場評価できることを示しました。ラマン顕微鏡がタンパク質液滴を調べる一般的な手法になりえると考えられます。

本研究成果は、英国王立化学会誌"Chemical Science"に2021年6月7日に掲載されました。

図 細胞内を模倣した緩衝溶液中におけるataxin-3のLLPS。
(A) ataxin-3のLLPSの明視野画像(左上)と蛍光画像(左下)。蛍光測定のためにataxin-3を蛍光色素Alexa Fluor 488?で标识している。
(B) 形成した液滴同士の融合。白矢印は液滴が融合した箇所を示す。

【用语解説】

(注1)神経変性疾患
脳や脊髄にある特定の神経细胞群が侵されることで、徐々にさまざまな退行性の変化を呈する疾患群。アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎缩性侧索硬化症、脊髄小脳変性症などがこの疾患群に该当する。详细な発症机序は明らかにされておらず、原因となる遗伝子やタンパク质の异常、タンパク质の分解机能欠损、活性酸素による细胞毒性などについて、様々な研究が行われている。

(注2)ラマン顕微镜
ラマン分光により二次元および叁次元构造や试料の化学组成を分析することを可能にした顕微镜。试料を非破壊的に解析できること、试料の前処理が不要であることがラマン顕微镜の主な利点である。

详细(プレスリリース本文)PDF

问い合わせ先

東北大学大学院 薬学研究科 生物構造化学分野
中林 孝和
TEL : 020-795-6855
E-mail : takakazu.nakabayashi.e7*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)