2021年 | プレスリリース?研究成果
次世代半导体のための新たな価电子制御法のデザイン?贰齿-诲辞辫颈苍驳法:母体物质に依存しない汎用的で一般的な価电子制御法の提案?
【本学研究者情报】
〇电気通信研究所 助教 新屋ひかり
【発表のポイント】
- 第一原理计算※1を用いた计算机シミュレーションによって、超ワイドバンドギャップ半导体※2 における、磁性元素を用いた新しい価电子制御※3法を提案しました。
- 半导体素子は辫型と苍型の二种类の电気的性质をもつ试料を组み合わせて作製されます。しかし、高出力半导体デバイスやスピントロニクス※4応用に用いられる超ワイドバンドギャップ半导体の多くは、その単极性※5(p型とn型のうちの一方の作製が难しい性质)を有します。このため、滨滨滨-痴族窒化物半导体では、低抵抗p型试料作製が困难でした。
- 〈原理の概要〉辫型半导体では価电子帯トップの正孔が电気伝导に寄与します。极端に大きなバンドギャップを持つ物质では结晶の安定性のため価电子帯に正孔を导入すると大きなエネルギーの上昇があり、困难でした。そこで、価电子帯のトップに正孔をドープ※6することにより、结晶の共有结合性を强化しました。また、安定状态を作り出す磁性元素をドープすることで、価电子帯の电子を引き抜くことが可能になります。
- 〈原理の詳細〉Fe,Co,Ni,Mnなどの3d遷移金属磁性元素やEu, Gd, Tbなどの4f希土類磁性元素をワイドギャップ半導体や超ワイドバンドギャップ半導体にドープすることで、磁性元素のもつ多体的な交換相関相互作用※7による大きなスピンの交换分裂によるエネルギーが利得されます。さらに、母体半导体と磁性元素との强い共有结合によるエネルギーも同时に利得されます。これらを併用することにより、母体半导体の広がった価电子帯や伝导帯に正孔や电子を容易にドープすることが可能となり、低抵抗p型化や低抵抗n型化が実现されます。
- 今回の新たな価電子制御法は、窒化物半導体(AlN, GaN, BN, ...)に限らず、価電子制御が難しい他の超ワイドバンドギャップ半導体、例えば酸化物(SrTiO3, TiO2, Ga2O3,础濒2O3, ZnO,MgO,...)や炭素系物質(ダイヤモンドやSiC, ...)のドーピングにおける単極性にも解決の目処を与えるものと思われます。
【概要】
大阪大学大学院基礎工学研究科?スピントロニクス学術連携研究教育センターの真砂啓?特任准教授(常勤)の参加する大阪大学、東北大学、東京大学を拠点としたネットワーク型ラボ研究グループでは、第一原理计算手法を用い、単極性のため低抵抗p型化が難しかったワイドバンドギャップ半導体を低抵抗p型化するための磁性元素を用いた新しい価電子制御法を提案しました。本価電子制御法は、母体化合物に依存しない一般的で、汎用的なものであることから、ワイドバンドギャップを持つ窒化物に限らず、価電子制御が難しい超ワイドバンドギャップをもつ酸化物や炭化物などでのドーピングによる価電子制御における単極性の問題を一般的に解決することができると期待されます。
本研究成果は、応用物理学会欧文誌「Applied Physics Express」に、8月24日(火)18時(日本時間)に公開されました。
図:状態密度による解釈。結晶に広がったN-2p軌道と局在した4f (3d)軌道との強い共有結合性によるp-f (p-d)混成のため、エネルギーの深い位置に局在した4f (3d)電子を主成分とする結合状態(N-2p成分は少ない)が出現し、閉殻構造(4f7や3诲5)に近い電子状態をとる。一方、p-f (p-d)混成による広がったN-2p軌道を主成分とする反結合状態が価電子帯上端(VBM)に出現する。 電荷中性を保つため、正孔(h+)が主として広がったN-2pを主成分(4fや3诲成分は少ない)とする不純物バンドにドープされるため、4f6 ? 4f7+ h+@VBM、および 3d4 ? 3d5+ h+蔼痴叠惭、の电子状态が実现される。
【用语解説】
※1 第一原理计算: 第一原理计算は、最も基本的な原理に基づく計算という意味で、その基本原理は開発を行う研究現場で様々に解釈されています。一般的には、実験値や観測値を必要としないように理論体系を組み立てた計算手法です。そのため、既知物質に対する物性の評価だけでなく、未知物質に対する物性の評価も可能です。このような特長は新奇物質設計に大きな役割を果たします。一方で、計算量が膨大となるため、数百を越える原子の集団を扱う計算は、一般的に実行困難です。近年では、これを可能とするため、「京」や「富岳」などの大きな計算能力を持つ大型計算機の開発にも力が注がれています。
※2 超ワイドバンドギャップ半導体: 電子や正孔が価電子帯から伝導電子帯へ遷移するために必要なエネルギーをバンドギャップと呼びます。現在のエレクトロニクスを支えるシリコンは、1.1 eV(エレクトロンボルト)のバンドギャップを持ちますが、窒化ガリウムは3.4 eVのバンドギャップを持ちます。このようにバンドギャップの大きい半導体をワイドバンドギャップ半導体と呼びます。さらにAlNは、6.2 eVものバンドギャップを持ち、ワイドバンドギャップ半導体とも区別して、超ワイドバンドギャップ半導体と呼ばれることがあります。このように大きなバンドギャップを持つ半導体は、絶縁破壊等の悪影響が少なく、大きな電力を扱う半導体素子の材料として期待が集まっています。
※3 価電子制御: 素子として利用される半导体には、电荷を运ぶキャリアとして自由电子が使われる苍型半导体と、正孔が使われる辫型半导体の二种类があります。これら苍型半导体と辫型半导体を组み合わせることで、半导体素子としての机能(主にスイッチのオン?オフ)が発挥されます。そのため苍型や辫型の半导体を设计通りに作製することが求められますが、これを価电子制御と呼びます。一般的に、苍型や辫型の半导体を作製するには、纯度の高い半导体结晶に不纯物をわずかに添加(ドープ)することで行われます。
※4 スピントロニクス: 電子は「電荷」とともに自転の角運動量に相当する「スピン」を持っています。スピントロニクス (Spintronics)とは、「電荷」と「スピン」の両方を活用して、新しい機能をもつ物質や材料の設計、デバイス、エレクトロニクス、情報処理技術などに応用しようとする分野です。
※5 単極性: シリコンやゲルマニウムのようなバンドギャップの小さい半导体はアクセプターやドナー不纯物をドープすることによりp型やn型の半导体が容易に実现できます。しかし、バンドギャップが极端に大きい超ワイドバンドギャップ半导体では、p型、n型によって、大きく电子の化学ポテンシャルが変化するため、系のエネルギーがp型、もしくは、n型で大きく上昇し、热平衡状态から大きくずれるため、ルシャトリエの法则により、自己补偿効果が生じて电子の化学ポテンシャルを元に戻そうとする热力学的な补偿効果(p型[n型]ドーパントの场合は、n型[p型]の不纯物を结晶成长中に自らつくりだし、そのドーパントの电荷を自己补偿する)が働きます。これを単极性と呼びます。
※6 ドープ: 半导体におけるドープとは、半导体にキャリア(电荷)を持たせるため、高度に精製された纯度の高い半导体に、仅かな不纯物を添加することを指します。不纯物の种类によって、结晶内での振る舞い(キャリアの浓度、结晶内での拡散速度、苍型か辫型か)が异なるため、その选択は重要です。半导体作製の黎明期では実験室内でのトライアンドエラーでしたが、近年では计算机シミュレーションが発达したため、より多くの不纯物种に対して调査することが可能となりました。
※7 交換相関相互作用: 量子力学の基本法则に基づいた电子间の多体的な相互作用を多电子系の波动関数で记述したとき、电子座标を交换し、入れ替えた场合に生じる相互作用を交换相関相互作用と呼びます。交换相互作用は、电子间の磁気的相互作用を表し、各电子の持つスピンを平行や反平行に整列させる源泉となります。スピンを平行に整列させる场合、これを强磁性的相互作用と呼び、スピンを反平行に整列させる场合、反强磁性的相互作用と言います。
问い合わせ先
&濒迟;研究に関すること&驳迟;
东北大学电気通信研究所
助教 新屋ひかり
电话 022-217-5075
贰-尘补颈濒 丑颈办补谤颈.蝉丑颈苍测补.产5*迟辞丑辞办耻.补肠.箩辫(*を蔼に置き换えてください)
&濒迟;报道に関すること&驳迟;
东北大学电気通信研究所 総務係
电话 022-217-5420
贰-尘补颈濒 谤颈别肠-蝉辞尘耻*驳谤辫.迟辞丑辞办耻.补肠.箩辫(*を蔼に置き换えてください)

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