2021年 | プレスリリース?研究成果
宇宙背景放射の偏光面の回転を説明するアクシオンの运动机构の提唱
【本学研究者情报】
〇学际科学フロンティア研究所 新领域创成研究部 助教 山田将树
【発表のポイント】
- アクシオンという新粒子がダークマター*1のエネルギーをきっかけとして运动を始めることで、宇宙マイクロ波背景放射の偏光面が回転するという観测结果を説明可能であることを示しました。
- アクシオンが运动を始めたのは长い宇宙の歴史の中で最近になってからなのはなぜか、という理论的な疑问点を解消しました。
- これにより、アクシオンという新粒子を通して宇宙マイクロ波背景放射の偏光とダークマターが密接に関连している可能性が开かれました。
【概要】
宇宙マイクロ波背景放射は宇宙に満ちている光であり、高温状态にあったビッグバン宇宙の名残として、宇宙の晴れ上がりと呼ばれる时期から现在までまっすぐに飞んできています。2020年11月、宇宙マイクロ波背景放射の偏光面が回転している兆候があることが、偏光データの解析から指摘されていました。
このような効果をもつ新しい素粒子として、超弦理论が予言するアクシオンがあります。非常に軽いアクシオンは宇宙の晴れ上がりの时期以降に运动を始め、この运动によって宇宙マイクロ波背景放射の偏光面が回転することが知られています。しかし、アクシオンが运动を始めたのはなぜこの时期になってからなのか、という疑问が残っていました。
东北大学学际科学フロンティア研究所の山田将树助教、大学院理学研究科の高桥史宜教授および中川翔太大学院生の研究グループは、アクシオンがダークマターのエネルギーによって质量を得ることで运动を开始する机构を提唱しました。
この机构によると、宇宙の晴れ上がりの时期と、ダークマターが宇宙のエネルギー密度を支配し始める时期が非常に近いことから、アクシオンが必然的に宇宙マイクロ波背景放射の偏光に影响を与えることになります。
アクシオンがダークマターのエネルギーによって质量を得るには、新しい相互作用が必要になります。本研究では、标準理论の四つの力に加えてもう一つの未知の力が存在し、それに付随する磁気単极子がダークマターとなるシナリオに着目しました。
今后の宇宙マイクロ波背景放射の観测とダークマターの探査実験によって机构が确かめられれば、宇宙论および素粒子理论の発展に大きく贡献します。
本研究の成果は、米国現地時間の2021年10月28日、学術誌『Physical Review Letters』に掲載されました。
図1.アクシオンの運動 (右上図の赤点) に伴って、宇宙背景放射 (左上図) の偏光面が回転していることを示す模式図。左下のグラフの各線はダークマターと物質 (実線)、輻射 (赤破線)、ダークエネルギー (緑点線)、のエネルギー密度の時間発展を示している。等密度時から現在に近い時期までダークマターと物質が優勢な時期になっており、その時期にアクシオンが運動する。宇宙の晴れ上がりは等密度時の直後におこるため、宇宙背景放射の偏光面が必然的に回転する。
【用语解説】
*1 ダークマター
宇宙に存在している见えない未知の物质。重力の相互作用を通して银河などの宇宙の构造の形成に密接に関わっている。特に物质优势期にはダークマターのエネルギーが宇宙の主要な成分になる。ダークマターが具体的にどのような粒子なのかは分かっておらず、それを直接捉えようと世界中で様々な探査実験が行われている。
问い合わせ先
(研究に関して)
东北大学学际科学フロンティア研究所
助教 山田將樹(やまだ まさき)
E-mail: m.yamada*tohoku.ac.jp
(*を蔼に置き换えてください)
(报道に関して)
东北大学学际科学フロンティア研究所
特任准教授 藤原 英明 (ふじわら ひであき)
電話: 022-795-5259
E-mail: hideaki*fris.tohoku.ac.jp
(*を蔼に置き换えてください)