2022年 | プレスリリース?研究成果
挑発を受けると攻撃的になる脳内の仕组みを解明
【本学研究者情报】
〇生命科学研究科 助教 常松友美
【概要】
他者から悪意を向けられると、苛立ったり攻撃的な気持ちになったりします。雄マウスも、ライバルに挑発されると、通常よりも激しい攻撃行动を示すようになることが分かっています。このように、挑発を受けて攻撃行动が激しくなるとき、脳の中では何が起こっているのでしょうか。
本研究グループはこれまでに、マウスを用いた実験で、他者からの挑発(社会的挑発)を受けたときに、脳内の背侧缝线核において、兴奋性神経伝达物质であるグルタミン酸の入力が増加することを明らかにしています。背侧缝线核にグルタミン酸ニューロンの投射を行う脳领域の一つに、不快情动やストレスに関わる外侧手纲核があります。今回、この外侧手纲核から背侧缝线核への投射ニューロンが、社会的挑発を受けることにより活性化することを见いだしました。この神経投射の活动を抑制すると、社会的挑発を受けても攻撃行动が起こらなくなることから、外侧手纲核から背侧缝线核への兴奋性入力が社会的挑発による攻撃行动の増加に関与することが示されました。さらに、社会的挑発による攻撃行动の増加には、背侧缝线核の非セロトニンニューロンのうち、腹侧被盖野に投射しているニューロンが関与することが示されました。
本研究成果により、攻撃行动が过剰になるメカニズムの一端が明らかとなりました。このような知见は、人间の暴力性の问题の理解にもつながると考えられます。
図 本研究の概要
(上)社会的挑発は雄マウスの攻撃行动を増加させる。
(下)社会的挑発は、外侧手纲核から背侧缝线核への投射ニューロンを活性化させる。
そしてその情报を受け取った背侧缝线核から腹侧被盖野への投射ニューロンが活性化することで、攻撃行动が増加する。
【用语解説】
注1.背侧缝线核(はいそくほうせんかく、顿搁狈)
中脳に存在する脳部位。セロトニンを产生し放出するセロトニンニューロンが存在し、そこから前脳の広い范囲に投射してセロトニンの供给を行っている。セロトニン以外にも、GABAやグルタミン酸、ドーパミン、神経ペプチドを产生するニューロンも存在する。
注2.グルタミン酸
アミノ酸の1つで、うまみ成分として同定された。脊椎动物の脳内では主要な兴奋性の神経伝达物质として用いられる。ただし、脳内のグルタミン酸はすべて脳内で产生されており、食事から摂取したグルタミン酸が直接脳に入ることはない。
注3.外侧手纲核(がいそくたづなかく、尝贬产)
间脳に存在する脳部位で、马の手纲のような形の构造体。ドーパミン神経系やセロトニン神経系に直接投射を行って制御をしている。嫌悪刺激や社会的葛藤、ストレス応答に関与することが分かっている。
注4.セロトニン
必须アミノ酸トリプトファンから合成される。セロトニンの大半は肠や血中に存在しているが、ごく一部だけは脳にあるセロトニンニューロンで作られている。脳内セロトニンは神経伝达物质として、気分障害、衝动性、认知机能、睡眠覚醒、摂食、运动など様々な机能に関与することが分かってきている。
注5.腹侧被盖野(ふくそくひがいや)
中脳に存在する脳部位。ドーパミンを产生し放出するドーパミンニューロンが存在し、前头皮质や辺縁系、腹侧线条体に投射してドーパミンの供给を行っている。この投射は脳内报酬系として知られ、动机づけや依存に関与する。
问い合わせ先
东北大学大学院生命科学研究科広报室
TEL: 022-217-6193
E-mail: lifsci-pr*grp.tohoku.ac.jp
(*を蔼に置き换えてください)

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