2022年 | プレスリリース?研究成果
新しいスピン流生成現象を発見し磁場無しで垂直磁化反転を実証 ─ データ記憶素子のさらなる高速化と低消費電力化に期待 ─
【本学研究者情报】
〇大学院工学研究科 知能デバイス材料学専攻
助教 轻部修太郎
【発表のポイント】
- 高品质な酸化ルテニウム(RuO2)のルチル结晶构造と反强磁性(※1)磁気秩序によって発现するスピンスプリッター効果に起因したスピン流(※2)生成原理を発见
- 従来のスピンホール効果(※3)では実现不可能な全方位スピン偏极スピン流の生成により外部磁场不要で垂直磁化(※4)の反転を実証
- 情报高密度化に有利な垂直磁化HDDやMRAMの高効率动作への応用に期待
【概要】
近年の目覚ましい高度情报化に伴い、高密度情报担体や、高効率情报処理の実现は喫紧の课题となっています。なかでも电力供给がなくても记忆内容を保持できるハードディスクドライブ(贬顿顿)や磁気ランダムアクセスメモリ(惭搁础惭)などの磁気デバイスの高性能化は重要であり、これまでにスピントロニクス(※5)では様々な取り组みがなされてきました。
东北大学大学院工学研究科の轻部修太郎助教、新田淳作名誉教授らは、ルテニウム酸化物(搁耻翱2)の反强磁性磁気秩序によって生成される全く新しいスピン流生成现象を発见し、さらにそれを応用することで、外部磁场を全く必要としない垂直磁化反転を実証しました。従来のスピントロニクス技术では垂直磁化反転に外部磁场のアシストが必要であり、応用上の大きな壁となっていました。本研究成果により、外部磁场无く効率的かつ、简便なデバイス构造で磁化反転动作が可能となるため、情报保持や情报処理を担う磁気デバイスの高性能化が期待されます。
本研究成果は2022年9月19日付(米国時間)で米国の科学誌「Physical Review Letters」でオンライン公開されました。
図1 (a)重金属中のスピン軌道相互作用で生成されるスピン流(従来研究)、(b) RuO2中の反強磁性磁気秩序によって生成されるスピン流(本研究)誘起の隣接磁性層の磁化反転の概要図。重金属の場合はスピン流のスピン偏極方向に制約があるため、外部磁場が無いと磁化反転しない。一方、 RuO2を用いた场合では全方位スピン偏极が可能なスピン流を生成できるため、外部磁场によるアシスト不要で磁化反転ができる。
【用语解説】
※1 反強磁性、ネールベクトル
隣り合う磁気モーメントが互いに反平行に结合している磁性を反强磁性と呼ぶ。反対向きの磁気モーメントを引き算し、2で割ったベクトルは、反强磁性磁気秩序の向きを定义するネールベクトルと呼ばれる。
※2 スピン流
アップスピン、ダウンスピン电子らが互いに反対方向に进行する际に、正味の电荷の流れを打ち消し、スピンのみの流れが诱起されている状态を指す。
※3 スピンホール効果
白金などの重金属に电流を流すと、电流と垂直方向にスピン流が生じる现象。一般的なホール効果で起こる横方向电流と、生成スピン流方向が似ていることからこのように呼ばれる。
※4 垂直磁化
磁性体薄膜では、磁化の向きやすい方向が膜面内と膜垂直方向の2种类あり、垂直方向に磁化している状态を指す。
※5 スピントロニクス
20 世紀にトランジスタなどが開発されたエレクトロニクスでは、電子や正孔の持つ「電荷」の性質を利用して優れた発明が成されてきた。一方、スピントロニクスは、「電荷」の性質に加え、電子の磁性に相当する「スピン」も積極的に利用する学術領域である。
问い合わせ先
< 研究に関して >
东北大学大学院工学研究科
知能デバイス材料学専攻
助教 輕部 修太郎(かるべ しゅうたろう)
電話 022-795-7317 Email: karube*material.tohoku.ac.jp
(*を蔼に置き换えてください)
< 報道に関して >
東北大学工学研究科情報広報室 担当 沼澤 みどり
TEL: 022-795-5898 Email: eng-pr*grp.tohoku.ac.jp
(*を蔼に置き换えてください)

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