2022年 | プレスリリース?研究成果
金属を含まない触媒でセラミック前駆体高分子の室温合成に成功 ~600℃超の高耐熱性?透明ハイブリッド材料の開発へ~
【本学研究者情报】
〇大学院工学研究科 応用化学専攻
助教 朱慧娥
【発表のポイント】
- 室温下でセラミック前駆体高分子注1の効率的合成に成功
- 金属フリーのホウ素触媒注2を使用することで残留金属の问题も解决
- 热硬化反応注3を用いた高性能ハイブリッド材料の试作にも成功
【概要】
2020年10月に政府が宣言した、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」実现に向けて、机能性材料の製造プロセスにもグリーン化が求められています。种々の机能性材料に用いられているケイ素と酸素を骨格とするシロキサン系高分子の合成では贵金属触媒を使用するため、反応温度や触媒金属の残留による着色や劣化などの问题点を有しています。一方、金属を含まない(フリー)触媒として电子対を受け取る性质を持つルイス酸のトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(叠(颁6F5)3 。以下:ホウ素触媒)を用いる合成では、副反応であるゲル化注4を抑制することが课题でした。
今回、东北大学大学院工学研究科の朱慧娥助教と叁ツ石方也教授の研究グループは、反応プロセスの制御によりゲル化の抑制に成功し、热に弱い炭素--炭素结合を主锁に持たない新しい环状シロキサン注5前駆体高分子を開発しました。この前駆体高分子は有機溶媒に可溶で、優れた分子柔軟性を示します。さらに、热硬化反応により、600°Cを超える優れた熱安定性?低誘電率を示す透明な自立膜注6が得られました。この热安定性は、150℃以上の耐热性を持つスーパーエンプラとよばれるプラスチックに比べ、优れた性能を示します。低温反応?金属フリー?再机能化可能などの利点をもつため、今回开発したハイブリッド材料は电子デバイスの封止材、接着剤、及び耐热性コーティング剤などへの応用が期待されます。
本研究成果は2022年10月24日(米国時間)に米国化学会発行の科学誌「Macromolecules」でオンライン公開され、Supplementary Coverにも選出されました。
开発したハイブリッド材料
【用语解説】
注1 前駆体高分子
セラミックスの前駆体として、任意に分子设计でき、一般的に有机溶媒に可溶であり、热可塑性を有する高分子である。
注2 ホウ素触媒
今回使った触媒はトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランである。
注3 热硬化反応
分子の官能基同士が加热によってネットワーク的に结合し、高分子化する「架桥反応」である。
注4 ゲル化
溶液中で高分子が架桥反応などによりネットワークを形成し、固化する现象である。
注5 环状シロキサン
ケイ素と酸素の厂颈-翱-厂颈结合からなるシロキサン结合を有し、ケイ素を反応点として有机机能団を有する有机无机ハイブリッド材料の一种。化学式は(搁2SiO)nである。搁は有机置换基であり、ビニル基などの反応性置换基の场合、环状シロキサンへの机能団の导入が可能となり、机能性材料への応用が期待される。
注6 自立膜
膜を支えるための基板を必要とせず、それ自体で形状を维持することができる膜である。
问い合わせ先
【问い合わせ先】
(研究に関すること)
東北大学工学研究科 応用化学専攻
助教 朱 慧娥(しゅ けいが)
電話: 022-795-7231
E-mail: zhuhuie*tohoku.ac.jp
(*を蔼に置き换えてください)
(报道に関すること)
東北大学大学院工学研究科 情報広報室
担当 沼澤 みどり
電話: 022-795-5898
E-mail: eng-pr*grp.tohoku.ac.jp
(*を蔼に置き换えてください)

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