2022年 | プレスリリース?研究成果
山形-福岛県境で群発地震を引き起こした地殻内の流体量を推定 群発地震の周期性、大地震との関係、金鉱脉との関连性を示唆
【本学研究者情报】
〇流体科学研究所 助教 椋平 祐輔
【発表のポイント】
- 2011年3月11日に起きた东北地方太平洋冲地震の7日后から山形-福岛県境で発生した群発地震*1について、群発地震発生前に地殻内に蓄积されていた流体量を推定した。
- 群発地震を诱発した流体は、沉み込み帯の平均脱水量*2から100?10000年で再チャージされることを明らかにした。
- 流体量の定量化と、再チャージ期间の推定から、群発地震と巨大地震の関係性、また群発地震による鉱脉の形成など、新たな関係性を见出した。
- 沉み込み帯の流体ダイナミクスを解明するための、これまでにない时间?空间解像度で流体を定量化する新たなアプローチを提案し、その有用性を示した。
【概要】
沉み込み帯での水の循环の理解は、巨大地震の発生を始め多くの现象の理解にとって大変重要です。しかしこれまで、流体の大まかな分布や、地质学的スケールでの理论的な循环量が分かっているのみで、具体的にどこで、どれだけ流体が蓄积していて地震等の现象と结びついているかはよく分かっていませんでした。
東北大学流体科学研究所の椋平祐輔助教、同大学大学院環境科学研究科の宇野正起助教、同大学大学院理学研究科 地震?噴火予知研究観測センターの吉田圭佑助教は、資源工学?水理学分野の物理モデルを用いて、2011年東北地方太平洋沖地震の7日後に山形?福島県境で発生した群発地震について、群発地震を誘発した流体量を106~108 m3と推定しました。この量の流体が群発地震発生领域付近に蓄积されていたことを世界で初めて明らかにしました。さらに、この流体量は100年?10000年の期间で再びチャージされることを示し、1000年サイクルで発生する地震の规模マグニチュード(惭)9クラスの大地震との関连を示唆した他、群発地震も金をはじめとする様々な鉱物脉を生成しうる可能性も示唆しました。
これらの知见は沉み込み帯の流体ダイナミクスを理解する上で、これまでと桁违いの时空间高解解像度での情报を提供し、新たな知见をもたらした他、沉み込み帯の様々なプロセスでの地化学的な议论や、异なる地质学的条件での群発地震の流体量推定の基となることが期待されます。
本成果は、2022年11月19日、英国Nature Research社が発行する科学誌Communications Earth & Environmentに掲載されました。
図1 本研究成果の概念図
a) 群発地震発生領域への流体の供給の概念図。流体の存在を示唆するS波*3の低速度域から、流体が上昇し群発地震を引き起こしたと考えられる。本研究で推定したのはこの群発地震に関与した流体量である。
b) 群発地震を引き起こした流体量の再チャージ期間。青で示した流体量を、下部地殻からの流体供給(灰色)で再チャージすると、100~10000年程度の時間が必要。一方でM9クラス自身の周期は1000年であり、再チャージ期間に含まれる。右には本研究で使用した物理モデルと、それぞれによる流体推定量を示している。
【用语解説】
*1 群発地震
前震?本震?余震の区别がはっきりせず、ある地域に集中的に多数発生するような地震群のこと。
*2 沉み込み帯の平均脱水量
沉み込んだプレート(スラブ)内に含まれる含水鉱物が、マントル深部へ沉み込む过程で様々な温度?圧力条件下で分解され、水流体を放出すること。このスラブ起源流体は上昇しマグマ(メルト)等を経由しながら、沉み込み帯内部を循环する。本研究では、そのうち地殻内部に水流体として存在しており、群発地震に寄与した量を求めた。
*3 厂波
地震波の进行方向に垂直に振动する波で横波とも呼ばれる。一般に厂波によって地面は大きく揺れる。地震波速度构造解析で得られる火山直下の厂波低速度域はメルト(溶融した岩石)に富む领域と解釈されており、その周囲に水流体が放出されている可能性が高い。
问い合わせ先
(研究に関すること)
东北大学流体科学研究所
助教 椋平 祐輔(むくひら ゆうすけ)
電話 022-217-5235
贰-尘补颈濒 mukuhira*tohoku.ac.jp
(*を蔼に置き换えてください)
(报道に関すること)
东北大学流体科学研究所
広报戦略室
电话 022-217-5873
贰-尘补颈濒 ifs-koho*grp.tohoku.ac.jp
(*を蔼に置き换えてください)

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