2023年 | プレスリリース?研究成果
遺伝子一つを再発現しただけで細胞死が起きた! - 転写因子BACH1の再発現によるフェロトーシスモデル細胞が完成 -
【本学研究者情报】
〇大学院医学系研究科生物化学分野 教授 五十嵐和彦
【発表のポイント】
- 転写因子注1BACH1注2を欠损した线维芽细胞注3で、叠础颁贬1を再発现させると、フェロトーシス注4という细胞死が起きることを発见しました。
- このフェロトーシスが周囲の细胞へ伝播することを确认しました。
- 将来、「この线维芽细胞を肿疡内に入れて、そこでフェロトーシスを诱导することで、がんを缩小させる」细胞疗法注5の実现が期待されます。
【概要】
フェロトーシスは、2012年に报告された鉄依存性の细胞死で、生体内でがん细胞の除去机构として働くことが分かっています。「がん组织でフェロトーシスを诱导することで、がんを缩小させる」という、新たながん治疗戦略が期待されています。
东北大学大学院医学系研究科生物化学分野の西澤弘成(にしざわ ひろなり)博士、五十嵐和彦(いがらし かずひこ)教授らの研究グループは、加齢医学研究所の田中耕三(たなか こうぞう)教授らとの共同研究により、線維芽細胞で転写因子BACH1を再発現させると、薬剤を使わなくてもフェロトーシスが誘導できることを発見しました。これは過去に報告のない、新たなフェロトーシスモデル細胞です。さらにフェロトーシスが分泌物質を介して、このモデル細胞から周囲の細胞へ伝播、拡散していくことも突き止めました。
「肿疡内にこのモデル细胞を埋め込むことで、がん组织にフェロトーシスを拡散させ、がんを缩小させる」という细胞疗法に発展することが期待されます。
本研究の成果は、2023年4月24日に日本生化学会英文誌The Journal of Biochemistryにて発表されました。
図1. BACH1再発現によるフェロトーシスモデル
叠础颁贬1欠损线维芽细胞に、叠础颁贬1遗伝子を导入して叠础颁贬1を再発现させると、还元剤除去をきっかけに细胞が自动的にフェロトーシスを起こして、死灭する。
【用语解説】
注1. 転写因子:遺伝子の発現を調節するタンパク質。転写を活性化するものと抑制するものがあります。
注2. BACH1:ヘムや酸化ストレスに応答する転写抑制因子として、酸化ストレス下での細胞の反応に重要な役割を持つことが以前から知られています。2020年に、本研究チームは「BACH1がフェロトーシスの強力な促進因子である」ことを報告しました。
注3. 線維芽細胞:体内の各所に存在し、コラーゲンなどの間質成分を作り出すことで臓器のメンテナンスをしていると考えられています。後述の、マウス胎仔線維芽細胞を含め、線維芽細胞は増殖力が高く、細胞生物学、分子生物学実験でも頻繁に使用されます。
注4. フェロトーシス:2012年にDixonらによって新しく報告された細胞死機構。細胞内自由鉄(Fe2+)を触媒として细胞膜リン脂质の过酸化反応が连锁し脂质ヒドロキシラジカルが蓄积することで细胞が死に至ると考えられています。自由鉄を除去する鉄キレート剤の投与によって抑制されます。
注5. 細胞療法:細胞を体内に入れることで特定の疾患を治療する方法。現在、実用化されているものとしては、移植片対宿主病に対して、間葉系の幹細胞を投与するテムセル? (JCRファーマ)などがあります。
问い合わせ先
(研究に関すること)
东北大学大学院医学系研究科生物化学分野
教授 五十嵐 和彦
学術研究員 西澤 弘成
TEL: 022-717-7596
E-mail: hnishizawa*med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
东北大学加齢医学研究所分子肿疡学研究分野
教授 田中 耕三
TEL: 022-717-8491
E-mail: kozo.tanaka.d2*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(报道に関すること)
东北大学大学院医学系研究科?医学部広报室
罢贰尝:022-717-7891
贰-尘补颈濒:辫谤别蝉蝉*辫谤.尘别诲.迟辞丑辞办耻.补肠.箩辫(*を蔼に置き换えてください)

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