2023年 | プレスリリース?研究成果
妊娠中の血中サイトカインと产后うつとの関係を発见
【本学研究者情报】
〇大学院医学系研究科精神神経学分野 教授 富田博秋
【発表のポイント】
- 妊娠中に血中の多くのサイトカイン(注1)レベルに変化が生じることは以前から知られ、胎児に対する母体の免疫反応の観点から捉えられてきました。今回は、产后うつに焦点を当て、妊娠中期と产后1ヵ月の妊产妇の血液中の代表的なサイトカインレベルを测定しました。
- 産後うつ症状を呈する母親の妊娠中の抗炎症サイトカイン(IL-10, IL-4) (注2)レベル は産後にうつ症状を呈しない母親と比べ有意に低い値を示しました。
- この研究结果は、产后うつの病态解明や、予防法などの开発に贡献することが期待されます。
【概要】
产后うつ病は产后1ヵ月の母亲に现れる抑うつ症状を示します。精神疾患の多くはこれまでも免疫学的侧面からの研究が行われてきていますが、产后うつに関しては大规模に解析を行った报告はほとんどありません。
東北大学大学院医学系研究科 兼 东北大学东北メディカル?メガバンク机构の富田博秋教授らのグループは、東北メディカル?メガバンク計画による三世代コホート調査(注3)に参加した妊产妇のうち、产后にうつ症状を呈する群と抑うつ症状を呈さない群において、妊产妇の妊娠中と产后の血浆中の代表的なサイトカインのレベルを比较しました。
その结果、抗炎症性サイトカイン(滨尝-4,滨尝-10)レベルは、产后にうつ症状を示す妊妇で有意に低い事が明らかになりました。この结果は妊娠中に产生される抗炎症サイトカインが产后の心の健康状态と関连している可能性を示しています。
本成果は2023年6月15日に医学分野の専門誌Psychiatry and Clinical Neurosciences に掲載されました。
図1.妊娠中および产后の血浆中サイトカインレベルと产后うつ症状との関连を検証
产后に产后うつ症状を呈する妊产妇(产后うつ群)と抑うつ兆候のない妊产妇を対象に妊娠中期と产后1ヵ月の血浆中のサイトカインのレベルを比较しました。抗炎症性サイトカインに分类される滨尝-4は产后うつ群で妊娠中と产后の両方で有意に低く、滨尝-10は妊娠中でのみ产后うつ群で有意に低いことが示されました。この结果は、妊娠中の抗炎症サイトカインレベルは产后の心の健康状态と関连している可能性を示しています。
【用语解説】
注1. サイトカイン:細胞間の情報伝達を担う主に免疫系細胞から分泌されるタンパク質で、その中でも、炎症性サイトカインは炎症を促進する働きを有する一方、抗炎症性サイトカインは条件によっては炎症を抑制するとされている。
注2. 抗炎症性サイトカイン(IL-4,IL-10):マクロファージと呼ばれる免疫細胞などから産生されるTNF-α,IL-1,IL-6,IL-8などのサイトカインは炎症を誘発することから炎症性サイトカインと呼ばれる。一方、2型ヘルパーT細胞(Th2細胞)と呼ばれる免疫細胞から産生されるサイトカインであるIL-4やIL-10などはマクロファージにおける炎症性サイトカインの産生を抑制する作用を有するため抗炎症サイトカインと呼ばれる。ただし、IL-4などはアトピー?アレルギー性炎症の状態など状況によっては炎症促進に働くこともある。
注3. 東北メディカル?メガバンク計画 三世代コホート調査:東日本大震災からの復興事業として平成24年度から始められ、被災地の健康復興と、個別化予防?医療の実現を目指している。東日本大震災被災地を中心とした合計 15 万人規模の地域住民コホート調査および妊婦とその胎児を中心とした三世代コホート調査を実施し、収集した試料?情報を整備している。東北メディカル?メガバンク計画は、东北大学东北メディカル?メガバンク机构(ToMMo)と岩手医科大学いわて東北メディカル?メガバンク機構を実施機関としています。
问い合わせ先
(研究に関すること)
东北大学大学院医学系研究科 精神神経学分野
东北大学东北メディカル?メガバンク机构 災害精神医学分野(兼務)
教授 富田博秋
罢贰尝: 022-717-7262
E-mail: psy*med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(报道に関すること)
东北大学东北メディカル?メガバンク机构
広报戦略室
长神 风二(ながみ ふうじ)
TEL: 022-717-7908
E-mail: pr*megabank.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

![]()
东北大学は持続可能な开発目标(厂顿骋蝉)を支援しています