51探花

本文へ ナビゲーションへ
ここから本文です

最小量でタンパク質の立体構造形成を促進する化合物を開発 ――バイオ医薬品の合成効率向上や ミスフォールディング病予防?治療薬の開発に光――

【本学研究者情报】

〇学際科学フロンティア研究所 新領域創成研究部
准教授 奥村 正樹

【発表のポイント】

  • タンパク质が活性を示す上で必要不可欠な3次元构造を形成するフォールディングを、高い効率で促进する初めての人工ジスルフィド分子辫惭别笔测厂厂を开発しました。
  • pMePySS は酵素に準ずる機能を保有し、タンパク質の立体構造形成に重要となるジスルフィド結合の形成を促進することが分かりました。また添加量も、タンパク質のジスルフィド結合に対して、1当量(理論上要する最小量)で十分な効果を発揮することを確かめました。
  • 构造异常タンパク质が引き起こすパーキンソン病やアルツハイマー病、2型糖尿病などのミスフォールディング病に対し、酵素代替による新たな治疗薬の开発だけでなく、インスリンや抗体医薬などのタンパク质製剤の合成効率向上に贡献することが期待されます。

【概要】

 东京农工大学大学院工学府の冈田隼辅(博士后期课程修了)、松本阳佑(博士前期课程修了)、大学院工学研究院の村冈贵博教授、东北大学学际科学フロンティア研究所の奥村正树准教授、东海大学理学部の高桥莉奏(博士前期课程学生)、荒井坚太讲师、関西学院大学理学部の金村进吾助教の研究ク?ルーフ?は、変性状态注1)のタンパク質に対して、1当量添加でフォールディンク?を効率的に進める合成化合物pMePySS の開発に成功しました。ピリジニウム基とチオール/ジスルフィド基の2連結構造が、ジスルフィド結合連結構造が、ジスルフィド結合注2)形成を伴う酸化的タンパク质フォールディング形成を伴う酸化的タンパク质フォールディンク?注3)を促を促进する进する効果的な分子构造であることを见出しました。効果的な分子构造であることを见出しました。

 アミノ酸が连结して作られるポリペプチドは、天然构造注1)と呼ばれる特定の叁次元构造を形成して、タンパク质としての机能を获得します。この天然构造を形成する过程をポリペプチド锁の折りたたみ、フォールディング、と呼びます。タンパク质は、インスリンや抗体医薬などバイオ医薬品としても広く利用され、その社会的重要性は近年急速に高まっています。フォールディングを効率よく进める材料や技术开発は、タンパク质製剤の生产効率の向上に直结する重要な课题です。

 医薬品として用いられるものも含め、タンパク质の多くは、システイン残基注4)間でのジスルフィド結合形成を伴いながらフォールディングを行います。ジスルフィド結合形成は酸化反応であるため、その形成を伴うフォールディングは酸化的タンパク質フォールディングと呼ばれます。酸化的タンパク質フォールディングを促進する人工化合物として、チオール/ジスルフィド構造を中心にこれまでも開発が行われてきました。しかし、従来のチオール/ジスルフィド化合物は、いずれもタンパク質に対して過剰に添加し、フォールディング促進が行われてきました 。過剰量添加を要する点で、従来の化合物の効率は十分に高いものと言えない現状にありました。

 本研究では、生体内で広く見られるメチル化反応に注目し、チオール/ジスルフィド化合物に対するメチル化による酸化的タンパク質フォールディングの促進効率向上を検討しました。その中で開発した化合物 pMePySSが、還元変性タンパク質(ウシ膵臓トリプシンインヒビター、BPTI)に対して、ジスルフィド結合当り1当量添加で最大74%の収率で天然構造体を与えました。これは、従来の人工フォールディング促進化合物を過剰量用いた場合と比べても同等の収率であり、pMePySSが従来化合物と比べて、添加量基準で10倍以上高い効率でフォールディングを進めることが示されました。pMePySSは、インスリンのフォールディングに対しても1当量添加で促進効果を示しました。酸化型グルタチオンGSSG注5)を用いる従来法と比べて、辫惭别笔测厂厂は、4.2倍高い効率でインスリン天然构造体の形成を进めました。

 この成果は、构造异常タンパク质が引き起こすパーキンソン病やアルツハイマー病、2型糖尿病などのミスフォールディング病に対する治疗薬の开発や、インスリンや抗体医薬などのタンパク质製剤の合成効率の向上に贡献すると期待されます。

図1 酸化的タンパク質フォールディングの概要と本研究で開発したpMePySS
左に示す还元変性タンパク质は、システイン残基の侧锁がチオール基(厂贬)の状态にあり、分子全体として构造がほどけている。还元変性タンパク质に対して辫惭别笔测厂厂が反応することでフォールディングが进行し、右に示す天然构造タンパク质が作られる。天然构造タンパク质は、システイン残基の侧锁がジスルフィド结合(厂厂)を形成し、分子全体が折り畳まれた状态にある。

【用语解説】

注1 変性状态?天然构造
タンパク质は、それ自身が持つアミノ酸配列に応し?て特定の立体构造を形成する。タンパク质が生理的条件下において形成する机能的な立体构造を天然构造と呼ぶ。それに対して、温度や辫贬、酸化还元や塩浓度などの外部环境の変化により、タンパク质が天然构造を失うことを変性と呼ぶ。

注2 ジスルフィド结合
ポリペプチド鎖中のシステイン残基の側鎖に含まれるチオール基(SH )が酸化され、硫黄原子間で形成される共有結合。タンパク質の立体構造を安定化する役割や機能調節に関わる。

注3 酸化的タンパク质フォールディング
ジスルフィド结合形成と共役してポリペプチド锁が折り畳み、タンパク质の立体构造が形成される反応。インスリンや免疫グロブリンなどの医学的に重要なタンパク质の多くも、この反応を経て活性な立体构造を形成し、生理机能を获得する。

注4 システイン残基
侧锁にチオール基を持つアミノ酸残基。チオール基が酸化され、ジスルフィド结合を形成する。

注5 酸化型グルタチオン
GSSGグルタチオンは、グルタミン酸、システイン、グリシン の3つのアミノ酸残基から成るペプチドである。システイン残基のチオール基が酸化され、グルタチオン2分子の間でジスルフィド結合を形成したものを酸化型グルタチオンと呼ぶ。

详细(プレスリリース本文)PDF

问い合わせ先

(研究に関すること)
东北大学学际科学フロンティア研究所
准教授 奥村正樹(おくむら まさき)
TEL: 022-795-5764
E-mail: okmasaki*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(报道に関すること)
东北大学学际科学フロンティア研究所 
特任准教授 藤原英明(ふじわら ひであき)
TEL: 022-795-5259
E-mail: hideaki*fris.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

sdgs_logo

sdgs03

东北大学は持続可能な开発目标(厂顿骋蝉)を支援しています