2023年 | プレスリリース?研究成果
ガンマ线と可视光偏光の同时観测で迫るブラックホールからの光速ジェット喷出の谜
【本学研究者情报】
〇学际科学フロンティア研究所
教授 當真賢二
【概要】
金沢大学理工研究域先端宇宙理工学研究センター/数物科学系の有元誠准教授および東京大学宇宙線研究所高エネルギー宇宙線研究部門の浅野勝晃教授,広島大学宇宙科学センターの川端弘治教授,東北大学学际科学フロンティア研究所の當真賢二教授,メキシコ国立自治大学,イスラエル?オープン大学を含む国際共同研究グループは,フェルミ宇宙ガンマ线望远镜卫星(フェルミ卫星)(※1)と东広岛天文台かなた望远镜(※2)を用いて,宇宙最大の爆発现象であるガンマ线バーストからのガンマ线と可视光偏光の同时観测に成功しました。ガンマ线バーストは,光速に近い速さでブラックホールからジェットが喷き出し,そのジェットからガンマ线が放射されると考えられているものの,その放射メカニズムやジェット駆动机构は谜に包まれていました。本研究ではガンマ线と可视光の同时観测により,ジェット内部を逆方向に进む衝撃波(※3)がガンマ线放射に大きく寄与していることが初めて分かりました。さらに,本研究では,光の向きの偏りを调べることができる偏光観测を爆発発生から80秒后という极めて早い时间帯で観测できました。このことは,「ガンマ线バーストのジェット内部に2种类の衝撃波が存在し,それぞれの衝撃波の磁场构造が全く异なる」ことも新たに明らかにしました。ジェット内部で作られる衝撃波によって高エネルギー粒子が诞生し,その粒子が磁场と作用することでガンマ线が生じると考えられています。つまり,ガンマ线の放射起源を知る上で,磁场はなくてはならない情报であり,ガンマ线を放つジェット内部の磁场构造を明らかにできたのは本研究が初めてです。また,ジェットを光速近くまで加速する机构として,磁场駆动モデルが提案されていますが,そうしたモデルに制限を与える重要な结果となります。
本研究により,ガンマ线バーストの放射メカニズムやジェットの组成?生成の理解が大きく进展しました。光速まで加速されたジェットはガンマ线バーストだけでなく,さまざまな天体现象でも存在しており,本研究の成果が多くの谜に満ちたジェットの解明にも繋がる可能性があります。さらに今回のような広い波长での同时観测が,今后のマルチメッセンジャー天文学においても大きな役割を果たすことが期待されます。
本研究成果は,2023年11月23日16时(英国时间)に英国科学誌 Nature Astronomyのオンライン版に掲载されました。
ガンマ线バーストのイメージ図
(Copyright: 2023 金沢大学,イラスト制作:武重隆之介?髙桥壮一)
【用语解説】
※1 フェルミ宇宙ガンマ线望远镜卫星(フェルミ卫星)
日米欧の国际チームで开発された高エネルギーガンマ线観测用天文卫星であり,2008年に打ち上げられた。全天をサーベイしながら,広い天域を常に监视している。日本のフェルミ卫星チームは,金沢大学に加え,広岛大学,东京大学,名古屋大学,早稲田大学,茨城大学,大阪大学,立教大学,青山学院大学,山形大学等の研究者で构成されている。
フェルミ卫星に搭载されたガンマ线大面积望远镜は,日本が开発に大きく贡献したものであり,打ち上げ后も日本人メンバーがデータモニター,突発天体监视,データ解析などで贡献を続けている。
※2 かなた望远镜
広岛大学宇宙科学センターが运用する口径1.5尘の光学望远镜で,2006年に竣工した同センター附属东広岛天文台に据えられている。ガンマ线バーストのアラートが届くと即座にその到来方向へ望远镜を向けて可视光偏光観测を开始するなど,宇宙の突発现象の観测的研究においてユニークな活跃を见せている。
※3 衝撃波
流体が音速の速度を超えて流れている时に,音速を超えた超音速の领域と低い速度の领域の境で,圧力などが急激に変化して生じる不连続面のことを言う。この衝撃波によって,运动エネルギーが热エネルギーなどに変换され,高エネルギー粒子の加速に対して大きな役割を担っている。
问い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学学际科学フロンティア研究所
教授 當真賢二
TEL: 022-795-4402
E-mail: toma*fris.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(报道に関すること)
東北大学学际科学フロンティア研究所
企画部
特任准教授 藤原英明(ふじわら ひであき)
TEL: 022-795-5259
Email: hideaki*fris.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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