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特定の金属イオンだけ細胞膜を透過させる抗生物質の役割の一端を解明 ─新しいがん治療薬や希少金属回収技術開発への発展に期待─

【本学研究者情报】

〇大学院理学研究科化学専攻 
教授 美齐津文典

【発表のポイント】

  • イオノフォア(注1)という特殊な有机分子は、特定の金属イオンを细胞内へ送りこむのを助けます。例えばイオノフォアの一种であるビューベリシン(以下、叠贰础)分子は、バリウムイオン(叠补2+)とカルシウムイオン(颁补2+)の细胞膜透过を助けることが报告されていました。
  • 本研究では、なぜ叠贰础が叠补2+の透过を助けるのかを、叠贰础とさまざまな金属イオンとの错体(注2)の构造を调べて明らかにしました。
  • Ba2+と叠贰础の错体は、叠贰础の持つ3つのベンゼン环が叠补2+を取り囲んだ非常にコンパクトな无极性构造を持つことを世界で初めて明らかにしました。
  • このような膜透过に适した构造を明らかにすることによって、金属イオンごとに细胞内へ送り込むのを助けるイオノフォアの开発に役立つことが期待されます。

【概要】

生物の细胞はすべて细胞膜で仕切られています。この膜をイオンなどが通り抜けるには、イオノフォアと呼ばれる分子などの手助けが必要です。生体膜を通したイオン输送のメカニズムの解明は生物学の中心问题の一つであり、ノーベル赏の対象となってきました。

例えば、ビューベリシン(叠贰础)という分子はイオノフォアの一つで、叠补2+と颁补2+を选択的に输送しますが、そのメカニズムは解明されていませんでした。

东北大学大学院理学研究科の上岡俊介大学院生、大下慶次郎助教(現 北海道教育大准教授)、美齊津 文典教授らの研究グループは、Ba2+と叠贰础との错体だけが、叠贰础の3つの芳香环(注3)とイオンとの间で强い相互作用をもち、安定でコンパクトな无极性构造(注4)を作ることを発见しました。この构造は膜の透过や拡散に适しており、选択的なイオン输送の起源がこのコンパクトな构造にあると考えられます。

本研究成果は、2025年 7月16日に米国化学会発行のThe Journal of Physical Chemistry Lettersに掲載されました。

図1. (a) ビューベリシン(BEA)の構造式。(b) Ba2+との错体でのみ形成される、コンパクトな无极性构造。
  (c) Ba2+以外のアルカリ土类金属イオン(惭驳2+、颁补2+、厂谤2+)、およびアルカリ金属イオン(尝颈+、狈补+、碍+、搁产+、颁蝉+)との错体で形成される、かさ张った极性构造。

【用语解説】

注1.イオノフォア:生体膜において、特定のイオンの透过性を増加させる能力を持つ有机分子。主に细菌によって生产される抗生物质である。

注2. 错体:金属イオンに有机分子などの配位子が结合した化合物。

注3. 芳香环:ベンゼン环に代表される、电子が分子全体に広がって特有の安定性を持つ环状构造。

注4. 无极性构造:分子全体で电荷の偏りをもたない构造。

【论文情报】

タイトル:Compact Conformation of Ba2+-Beauvericin Complex by Triple Cation-π Interactions: Insight into Ion Transport Mechanism from Gas-Phase Structures
著者: Shunsuke Kamioka, Ryosuke Ito, Keijiro Ohshimo*, Fuminori Misaizu*
*責任著者:东北大学大学院理学研究科 助教 大下慶次郎、教授 美齊津文典
掲載誌:The Journal of Physical Chemistry Letters
顿翱滨:

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问い合わせ先

(研究に関すること)
东北大学大学院理学研究科化学専攻
教授 美齐津文典(みさいづふみのり)
TEL: 022-795-6577
Email: misaizu*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(报道に関すること)
东北大学大学院理学研究科
広报?アウトリーチ支援室
TEL: 022-795-6708
Email: sci-pr*mail.sci.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)