2025年 | プレスリリース?研究成果
植物受精卵の微小管バンド移動の仕組みを解明 ~エージェントモデルで読み解く過剰応答能と複数の秩序化原理~
【本学研究者情报】
〇大学院生命科学研究科 教授 植田美那子
【発表のポイント】
- シロイヌナズナの受精卵が异方成长する际に形成される微小管バンド构造とその移动现象の仕组みを,数値シミュレーションによって定量的に明らかにしました.
- 微小管の配向を変化させる方向诱因领域よりも微小管バンドが幅広く形成されることや,微小管がバンドを形成する际に异なる2つの仕组みがあり得ることを示しました.
- これらの数値シミュレーション结果は,微繊维の配向形成やその移动を制御できる可能性を示しており,繊维强化材料の设计などへの応用が期待されます.
【概要】
植物の茎と根を结ぶ上下轴(体轴)は,受精卵期の异方的な先端成长(1)とその后の上下不等分裂によって决まると考えられています(図1A).シロイヌナズナにおいて,受精卵の异方成长の际に,细胞の表层微小管が先端付近に円环状のバンド构造を形成し,成长に伴って细胞先端侧へバンドが移动することが,実験から観察できていました(図1B).しかし,どのような仕组みで多数の微小管が协调あるいは竞合して配向秩序化(2)しバンド构造を形成し,かつ移动を达成するのかは未解明でした.
本研究では,秋田県立大学の野々山朋信博士研究员および津川暁助教らと东北大学の植田美那子教授らが协働し,顕微镜画像から微小管バンド幅とバンド移动速度を定量化しました. この定量データに基づいて,微小管エージェントモデル(3)を构筑し,微小管の配向を変化させる方向诱因领域に対して微小管の応答能(4)や微小管バンド移动の必要条件を定量的に示しました.类似の先端成长を示す根毛细胞などでは成长が速すぎるためにバンドが形成されない可能性が示唆されました.
これらの知见により,表层微小管に代表される细胞骨格と细胞形态の関係が明らかになるばかりでなく,方向诱引により繊维バンド构造が集积するような繊维强化材料などの设计や製造への応用も期待されます.
図1:受精卵の异方成长期に形成される微小管バンド构造とその移动现象
(础)被子植物(シロイヌナズナ)における受精卵は一方向的に异方的に伸长することで个体の上下轴を作る.胚珠の中にある受精卵が异方成长し上下不等分裂することで个体の上下轴が决まると考えられている.(叠)顕微镜によるシロイヌナズナの受精卵の伸长を撮影した画像.时间経过とともに微小管が円环バンド构造を形成し,细胞先端侧へ移动する(白).
【用语解説】
(1)先端成长
细胞の先端表面のみが伸展する成长様式.植物の根毛や花粉管などでよく见られる.
(2)配向秩序化
数多くの分子の向き(配向)が时间経过とともに同じ向きに揃うことを指す.
(3)エージェントモデル
多数の因子やエージェントがあるルールによって动きを変えたときに全体の振る舞いを调べる计算手法.例えば,道路网において多数の车が动き,复数の车が目的地までたどり着く时间を调べる方法などがある.
(4)微小管の応答能
微小管が外部刺激に対して伸长速度や向きを変える度合いを指す.
【论文情报】
タイトル:Agent-based Simulation of Cortical Microtubule Band Movement in Arabidopsis Zygotes (シロイヌナズナ受精卵の表層微小管バンド移動現象のエージェントシミュレーション)
著者: Tomonobu Nonoyama,Zichen Kang,Hikari Matsumoto,Sakumi Nakagawa,Minako Ueda,Satoru Tsugawa
掲載誌:Scientific Reports
顿翱滨:
问い合わせ先
(研究に関すること)
东北大学大学院生命科学研究科
教授 植田美那子
TEL: 022-795-6713
Email: minako.ueda.e7*tohoku.ac.jp
(*を蔼に置き换えてください)
(报道に関すること)
东北大学大学院生命科学研究科広報室
高桥さやか
TEL: 022-217-6193
Email: lifsci-pr*grp.tohoku.ac.jp
(*を蔼に置き换えてください)