2026年 | プレスリリース?研究成果
室温固体材料で世界最高水準の核スピン偏極率61%を達成 ―次世代量子技術への応用に期待―
【本学研究者情报】
〇ニュートリノ科学研究センター 学术研究员 山路晃広
【概要】
理化学研究所(理研)开拓研究所上坂スピン?アイソスピン研究室の立石健一郎研究员(仁科加速器科学研究センター核反応研究部研究员)、上坂友洋主任研究员(仁科加速器科学研究センター核反応研究部部长、埼玉大学大学院理工学研究科连携教授)、埼玉大学大学院理工学研究科の大塚脩司大学院生(研究当时)、东京大学大学院工学系研究科附属ナノシステム集积センターの黒泽俊介特任准教授(东北大学ニュートリノ科学研究センター客员准教授)、东北大学ニュートリノ科学研究センターの山路晃広学术研究员の共同研究グループは、室温(293ケルビン、约20℃)における比较的弱い磁场(0.64テスラ[1])条件下で、固体中の水素(?贬)核スピン偏极率[2]として世界最高値となる61%を达成しました。
本研究成果は、量子物性研究や放射线耐性偏极标的など、次世代量子技术への応用展开が期待されます。
核スピンを量子技术に利用するためには、高い核スピン偏极率により量子特有の性质を発现させる必要があります。しかし、室温下の固体材料では热の影响を强く受けるため核スピン偏极率が低くなり、量子技术への利用には至っていませんでした。
今回、共同研究グループは、光励起叁重项电子を用いた动的核偏极(トリプレット顿狈笔)法[3]において、新たに导入した有机结晶材料ジベンズ摆a,h闭アントラセンが、トリプレット顿狈笔法に适した分子であることを见いだしました。
本研究成果は、米国の科学雑誌『Chemical Physics Letters』オンライン版(2025年12月24日付)に掲载されました。
トリプレット顿狈笔法を用いた水素(1贬)核スピン偏极率の向上
【用语解説】
[1] テスラ
磁场の単位。1テスラはネオジム系などの强力永久磁石の表面磁场と同等の强さ。
[2] 偏極率
電子や原子核が持つスピンの向きが外部磁場に対してどれだけそろっているかを表す物理量。核スピン偏極率とは核スピンの偏極の割合のこと。核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance: NMR)信号の強さは核スピン偏極率に比例するが、今回の実験条件(室温、磁場0.64テスラ)では水素原子核(1H)スピン偏極率は0.002%程度しかなく、信号は非常に弱くなる。核スピン偏極率を高めることでNMR感度が飛躍的に向上するだけでなく、磁気秩序などの新しい物理現象の観測が可能となる。
[3] 光励起三重項電子を用いた動的核偏極(トリプレットDNP)法
レーザー照射などの光励起によって生じる叁重项励起状态(摆5闭参照)の电子スピンは、复数のスピンが一つの準位に大きく偏った高いスピン偏极を持つ。このスピン偏极をマイクロ波照射と磁场扫引(じばそういん)によって核スピンへ移すことで、超核偏极状态をつくり出すことができる。
【论文情报】
<タイトル>1H polarization above 60% at room temperature by triplet dynamic nuclear polarization
<着者名>立石健一郎、大塚脩司、山路晃広、黒泽俊介、上坂友洋
<雑誌>Chemical Physics Letters
<顿翱滨>
问い合わせ先
东北大学 ニュートリノ科学研究センター
担当: 渡辺寛子
Tel: 022-795-6727
Email: hiroko.watanabe.a7*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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