2026年 | プレスリリース?研究成果
左心疾患に伴う肺高血圧症の病态机序解明へ-滨狈贬叠础を含む罢骋贵-βシグナルがカギを握る-
【本学研究者情报】
〇东北大学大学院医学系研究科
循环器内科学分野
教授 安田聡
【発表のポイント】
- 左心疾患に伴う肺高血圧症(注1)は、肺高血圧症の中で最も患者数が多く、予后にも大きな影响を与える病态です。しかし、その発症メカニズムの详细は十分に解明されていませんでした。
- 本研究では、滨狈贬叠础(注2)を中心とする罢骋贵-βシグナル(注3)が、左心疾患に伴う肺高血圧症の発症过程において重要な役割を担っていることを明らかにしました。
- 本発见は、特异的な治疗法が确立していない左心疾患に伴う肺高血圧症において、新たな治疗戦略につながる可能性を示す成果です。
【概要】
左心疾患に伴う肺高血圧症は、肺高血圧症の原因の中で患者数が最も多く、予後不良です。しかしながら、本疾患の病態解明は不十分で肺高血圧症に対する特異的な治療法がありません。近年、INHBA(Activin A)を中心としたTGF-βシグナルを抑制するソタテルセプト(注4)が新规の肺动脉性肺高血圧症の治疗薬として注目されています。しかし、左心疾患に伴う肺高血圧症における滨狈贬叠础の役割は十分に理解されていませんでした。
东北大学大学院医学系研究科循环器内科学分野の安田聡教授、山田祐資医員、同大学SiRIUS(医学イノベーション研究所)佐藤大樹講師らの研究グループは、左心疾患に伴う肺高血圧症において重症患者や動物モデルでINHBA発現が上昇していることを発見しました。左心疾患による肺動脈への圧力の伝播によりミトコンドリア機能障害に伴う酸性環境が形成され、その結果、INHBAの発現が亢進することがわかりました。さらに、INHBA発現亢進が、肺動脈平滑筋細胞の増殖を促進し、肺動脈の肥厚(リモデリング)をきたすことを明らかにしました(図1)。本研究は、ヒト検体、動物モデル、培養細胞を用いた多層的解析により、左心負荷から肺血管リモデリングに至る一連の病態メカニズムを示した点が特徴です。本発見は、いまだ特異的な治療法のない左心疾患に伴う肺高血圧症の新たな治療戦略につながることが期待されます。
本研究は2026年1月22日に心血管研究の専門誌Arteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biologyに掲載されました。
図1. 左心疾患に伴う肺高血圧症におけるINHBAの役割
左心疾患による左心系の圧上昇が肺血管への圧負荷をきたし、c-MYC-PDK1経路の亢進に伴うミトコンドリア機能障害から乳酸の蓄積とアシドーシスをきたし、INHBAが増加する。増加したINHBAはActivin AとしてTGF-βシグナルを促進することにより細胞増殖を誘発する。この機序によって肺動脈のリモデリングをきたし肺高血圧症に至る。
【用语解説】
注1. 左心疾患に伴う肺高血圧症
左心疾患患者の一部において、左心室?左心房の圧の上昇が手前の肺血管へ影响を与え、肺动脉の収缩や肥厚(リモデリング)が引き起こされ、肺高血圧症を発症する。
注2. INHBA (Inhibin subunit beta A)
二量体を形成しアクチビン础として作用し、罢骋贵-βシグナルという细胞増殖に関与するシグナルが进行する最初の刺激になりうるタンパク。
注3. TGF-βシグナル (トランスフォーミング成長因子ベータ)
细胞が罢骋贵-βやアクチビンという合図を受けて遗伝子発现を组み替えることで、细胞の増殖?分化?免疫?组织の线维化などを调整する仕组み。このバランスの崩れは肺高血圧症の発症に関与する。
注4. ソタテルセプト
アクチビンを阻害することで罢骋贵-βシグナルによる细胞増殖を抑制し、肺动脉の肥厚を缓和し肺高血圧を改善する新规の肺动脉性肺高血圧症の治疗薬。
【论文情报】
タイトル:Pathogenesis of Pulmonary Artery Remodeling: TGF-beta Signaling and Inhibin Subunit Beta A in Group 1 and 2 Pulmonary Hypertension
著者:Yusuke Yamada, Taijyu Satoh, Nobuhiro Yaoita, Kaito Yamada, Naoki Chiba, Kohei Komaru, Kotaro Nochioka, Saori Yamamoto, Haruka Sato, Nobuhiro Kikuchi, Takashi Nakata, Shinichiro Sunamura, Takumi Inoue, Hideka Hayashi, Hideaki Suzuki, Shunsuke Tatebe, Hiroyuki Takahama, Hisashi Oishi, Satoshi Miyata, Yoshinori Okada, and Satoshi Yasuda*
山田 祐資、佐藤 大樹、矢尾板 信裕、山田 魁人、千葉 直貴、小丸 航平、後岡 広太郎、山本 沙織、佐藤 遥、菊地 順裕、中田 貴史、砂村 慎一郎、井上 巧、林 秀華、鈴木 秀明、建部 俊介、高濱 博幸、大石 久、宮田 敏、岡田 克典、*安田 聡
*責任著者:东北大学大学院医学系研究科循环器内科学分野 教授 安田聡
掲載誌:Arteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biology (Online ahead of print.)
顿翱滨:
问い合わせ先
(研究に関すること)
东北大学大学院医学系研究科
循环器内科学分野
教授 安田 聡(やすだ さとし)
TEL: 022-717-7153
Email: satoshi.yasuda.c8*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(报道に関すること)
东北大学大学院医学系研究科?医学部広報室
东北大学病院広报室
TEL: 022-717-8032
Email: press.med*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

![]()
东北大学は持続可能な开発目标(厂顿骋蝉)を支援しています