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PROTAC分子の効率的な改良を可能にする合成手法 ―タンパク質分解医薬の開発を加速―

【本学研究者情报】

〇薬学研究科合成制御化学分野 教授 岩渕好治

【発表のポイント】

  • アトピー性皮肤炎(注1)の治疗薬开発を目指し、标的タンパク质(注2)BRD4(注3)を分解する独自の笔搁翱罢础颁(注4)「罢碍笔-5」を开発しました。
  • 「1,3-ブタジイン(注5)」という构造をリンカー(注6)に活用することで、完成した笔搁翱罢础颁蝉を土台に、多様な罢碍笔-5类似分子を効率よく合成できる新たな手法を确立しました。
  • 本手法は、ノーベル化学赏の受赏でも知られるクリックケミストリー(注7)で合成される医薬分子や材料分子の効率的な改良にも応用可能です。これにより、新しい薬の候补や材料分子の开発を、より効率よく进められると期待されます。

【概要】

笔搁翱罢础颁蝉は、标的タンパク质を分解する新しい创薬手法として注目されていますが、分子构造が大きく复雑であるため、有望な分子を効率よく见いだすことが难しいという课题があります。

東北大学大学院薬学研究科の山越博幸助教、岩渕好治教授らの研究グループは、アトピー性皮肤炎の治疗薬开発を目指し、标的タンパク质BRD4を分解するPROTAC「TKP-5」を見出しました。さらに、リンカーに「1,3-ブタジイン」構造を導入した新たな合成手法を開発し、類似分子を効率的に合成することに成功しました。また、類似分子の効果を調べ、コンピュータ解析も活用することで、TKP-5が高い分解効果を示すために重要な構造の特徴を明らかにしました。今後は、本研究で得られた知見を基に分子構造の最適化を進め、より有望な治療薬候補の創出を目指します。また、本手法は他のPROTACsに加え、多成分型機能性分子の設計?最適化にも応用可能であり、創薬研究全体の加速への貢献が期待されます 。

本研究の成果は、2026年3月19日にアメリカ化学会の学术誌 Journal of Medicinal Chemistryに掲载されました。

図1. 一般的なPROTACsと開発したTKP-5のカタチ

【用语解説】

注1. アトピー性皮肤炎
皮肤の乾燥や强いかゆみ、炎症を繰り返す慢性の病気で、世界で2亿人以上が罹患しています。完治させる治疗法が确立されていないため、症状を抑える治疗が中心です。现状の薬では十分な効果を感じられない场合も多いため、より効果的な薬の开発が求められています。

注2. 標的タンパク質
多くの病気は、体の中のタンパク质が本来とは异なる働きをしてしまうことで起こります。薬は、こうした异常な働きをするタンパク质に作用するように作られており、薬が狙って作用する病気の原因となるタンパク质を「标的タンパク质」と呼びます。

注3. BRD4
BRD4(ブロモドメインタンパク質4)は、炎症が起きている部位で通常より多く見られることから、アトピー性皮肤炎の発症に関わるタンパク質と考えられています。炎症に関係するタンパク質が細胞内でどの程度作られるかを調節する役割を持っています。

注4. PROTAC(s)
笔搁翱罢础颁蝉(プロタック。最后に「蝉」がつく场合は、复数の笔搁翱罢础颁をまとめて表しています)は、病気の原因となる标的タンパク质と「分解の目印」をつけるタンパク质の両方に同时に结合できる分子です。この2つに同时に结合することで、标的タンパク质に分解の目印がつき、体内にもともと备わっているタンパク质分解の仕组みによって分解されます。これにより、病気の原因となるタンパク质を体内から取り除くことができます。

注5. 1,3-ブタジイン
4つの炭素原子が叁重结合で一直线につながった构造のことです。化学反応によって、この部分の形を変えることで、锁状の炭化水素やベンゼン环、酸素や窒素を含む环状构造、二つの环がつながった构造、枝分かれした构造など、さまざまな形に作り替えることができます。

注6. リンカー
分子の中で异なる役割をもつ部分同士をつなぐ「つなぎ目」の部分のことです。笔搁翱罢础颁蝉では、「病気の原因となるタンパク质に结合する部分」と「分解の目印を付けるタンパク质に结合する部分」をつないでいます。リンカーの长さや形によって、これら2つの部分の位置関係が変化し、笔搁翱罢础颁蝉の効果も大きく変わるため、とても重要な部分と考えられています。

注7. クリックケミストリー
2022年のノーベル化学赏の受赏でも知られる、分子同士を确実かつ简単につなぐ合成手法です。医薬分子や材料分子を作るために広く使われています。代表例として、アルキンを含む分子を使い、环状构造をつくりながら分子同士を结びつける反応がよく知られています。

【论文情报】

タイトル:Alkyne Two-Phase Strategy: Rapid Generation of TK-285-Derived PROTACs as BRD4 Degraders
著者: Hiroyuki Yamakoshi,* Ryo Watanabe, Ryosuke Segawa, Ryosuke Ishihara, Ryo Tachibana, Genki Kudo, Shota Nagasawa, Satoshi Yamanaka, Ayano Ito, Hiroyuki Takeda, Tatsuya Sawasaki, Ryunosuke Yoshino, Takatsugu Hirokawa, Takayuki Doi, Noriyasu Hirasawa, and Yoshiharu Iwabuchi*
*责任着者:东北大学大学院薬学研究科助教 山越博幸、 东北大学大学院薬学研究科教授 岩渕好治
掲載誌:Journal of Medicinal Chemistry
顿翱滨:

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问い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院薬学研究科 合成制御化学分野
教授 岩渕好治
TEL: 022-795-6846
Email: y-iwabuchi*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

助教 山越博幸
TEL: 022-795-6847
Email: hiroyuki.yamakoshi.e1*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(报道に関すること)
東北大学大学院薬学研究科?薬学部 総務係
TEL: 022-795-6801
Email: ph-som*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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