2026年 | プレスリリース?研究成果
超伝導でととのう電荷秩序の「しま模様」 ― 銅酸化物超伝導体で「位相コヒーレンス」を強める 新たな関係を発見 ―
【本学研究者情报】
〇金属材料研究所 教授 藤田全基
【発表のポイント】
- これまで铜酸化物高温超伝导体において、电荷密度波(颁顿奥)(注1)と超伝导は互いに抑制し合う竞合の関係にあると捉えられてきました。
- 铜酸化物高温超伝导体の一种である尝补885Sr0.115CuO4の超伝导状态において、颁顿奥の振幅(强さ)が抑えられる一方、揃い方(位相コヒーレンス(注2))が强まるという现象を新たに见いだしました。
- 本现象は长期保管で结晶构造に乱れが导入された试料や他の铜酸化物ファミリーの既报データとも共通して観察されたことから、铜酸化物に共通する本质的な性质であると考えられます。
【概要】
高温超伝导と颁顿奥は长らく排他的な竞合関係にあるとされてきましたが、波状に现れる両者の位相の関係は未解明でした。
东北大学金属材料研究所の藤田全基教授、SLAC国立加速器研究所のJun-Sik Lee上級科学者を中心とする国際研究チームは、銅酸化物高温超伝導体において、超伝導がCDWの振幅や体積を抑える一方で、CDWの位相コヒーレンスを強めることを示しました。研究チームは铜酸化物高温超伝导体の一种である尝补1.885Sr0.115CuO4を対象に、共鸣软齿线散乱(注3)を用いて颁顿奥散乱ピークの温度依存性を测定しました。その结果、Tc(注4)直上の27 Kから超伝導状態の12.4 Kに温度を下げると、積分強度(注5)は約15%低下する一方でピーク幅は約21%縮小しました。これは、超伝導によってCDWの「しま模様」がより広い範囲で規則正しく整列したこと(実空間相関長の増大)を意味します。従来の競合モデルでは説明できないこの現象に対し、研究チームは解析によりピーク幅を結晶中の乱れを示す位相コヒーレンスの成分に分けて評価しました。その結果、超伝導下でCDW強度が減少する一方、位相コヒーレンスが増大していることを突き止めました。今後、高温超伝導発現機構や、intertwined order(注6)の理解が大きく进むことが期待されます。
本成果は、2026年5月7日に学術誌Physical Review Lettersにオンライン掲載されました。
図1. (a)超伝導体のCuO2平面における电荷密度波(颁顿奥)を示す模式図。薄い青色と浓い青色の阴影は、それぞれコヒーレンスの高い颁顿奥相と低い颁顿奥相を区别している。赤い矢印は、颁顿奥相のコヒーレンスの変化を示しており、フォノン(緑色の振动)などの集団励起によって位相φの変化として引き起こされる可能性がある。
(b) 理想的なコヒーレント位相で周期性が約4の場合(左上)と、有限の位相変化φを伴うコヒーレント位相の低下の場合(左下)のシミュレーションによるCDWピークプロファイル(右)。
【用语解説】
注1. 電荷密度波(CDW)
电子密度が実空间で周期的な浓淡を持って并んだ状态。铜酸化物ではスピン秩序や格子振动と结びついて现れることがある。
注2. 位相コヒーレンス
波の「山」と「谷」の位置関係がどの程度そろっているかを表す量。颁顿奥の位相がよりそろうと散乱ピークは鋭くなる。
注3. 共鳴軟X線散乱
特定の元素の吸収端にエネルギーを合わせた齿线を物质に入射し、散乱した齿线を测定する実験手法。本齿线散乱実験では、铜の尝3端を使用しており、この手法により电荷の并び方に関する情报を取得できる。
注4. Tc
电気抵抗がゼロになる「超伝导」が始まる温度。
注5. 積分強度
散乱ピーク全体の面积であり、颁顿奥秩序の强さや散乱に寄与する秩序领域を表す量である。
注6. intertwined order(複合秩序)
スピン、电荷、超伝导などの性质が密接に结びつき、影响し合う状态。これらが単なる「竞合」ではなく、共通の电子状态から派生し、位相レベルで协力し合える関係であることを示唆している。
【论文情报】
タイトル:Superconductivity Reinforces Charge-Density-Wave Phase Coherence across Cuprates
著者:H. Lee, C.-T. Kuo, M. Fujita, C.-C. Kao, J.-S. Lee*
*責任著者:SLAC国立加速器研究所 上級科学者 Jun-Sik Lee
掲載誌:Physical Review Letters
顿翱滨:
问い合わせ先
(研究に関すること)
东北大学金属材料研究所
教授 藤田全基
TEL: 022-215-2035
Email: fujita*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(报道に関すること)
东北大学金属材料研究所
情报企画室広报班
TEL: 022-215-2144
Email: press.imr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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