2026年 | プレスリリース?研究成果
水素社会の実現に大きく前進!空気中で「イリジウムナノクラスター」を精密合成する新手法を確立 ―水電解の「酸素発生反応」活性を市販触媒の1.5倍に向上―
【本学研究者情报】
〇多元物质科学研究所 教授 根岸雄一
多元物质科学研究所 准教授 川脇徳久
【発表のポイント】
- これまで空気中での合成が困难だった、サイズ约1ナノメートル(苍尘)の「イリジウムナノクラスター(滨谤15 狈颁)」(注1)を、空気中で简便かつ精密に作り出す技术を世界で初めて确立しました。
- 开発したナノクラスターを炭素支持体に担持した触媒は、従来の市贩イリジウム触媒と比较して、水电解の键となる「酸素発生反応(翱贰搁)」(注2)の活性が1.5倍に向上しました。
- 触媒を究極まで微細化(約1 nm)することで活性サイトの密度を劇的に高め、極めて少ないイリジウム含有量(1 wt%)で高い耐久性と活性を両立し、クリーンな水素製造の普及に貢献します。
【概要】
次世代のクリーンエネルギーとしてグリーン水素の导入が进む中、水电解装置の量产化に向けて、希少で高価なイリジウム触媒の使用量を剧的に抑えつつ活性を高める技术の开発が世界的な课题となっています。
东北大学多元物质科学研究所の根岸雄一教授、川脇徳久准教授らの国际共同研究グループ(东京理科大学、米国?ヴァンダービルト大学、オーストラリア?アデレード大学)は、次世代のクリーンエネルギーであるグリーン水素を製造する水电解技术において、もっとも重要な电极触媒の一つであるイリジウム(滨谤)のナノクラスター(狈颁)を大気中で极めて简便かつ精密に合成する手法を开発しました。
一酸化炭素(颁翱)とトリフェニルホスフィン(笔笔丑3)を保护配位子として巧みに组み合わせることで、空気中で安定して存在する原子精度(15原子个数规模)のイリジウムナノクラスター(滨谤15 狈颁)の分离に成功しました。これを前駆体として作製した水电解用触媒は、市贩のイリジウムナノ粒子触媒に比べて1.5倍の酸素発生反応(翱贰搁)活性を示し、さらに20时间以上の连続运転でも劣化しない高い耐久性を実証しました。
本研究の成果は、极めて高価で地球上の埋蔵量が少ないイリジウムの使用量を剧的に抑えつつ、クリーンな水素製造システムの効率を大幅に高める画期的な技术であり、脱炭素社会?カーボンニュートラルの実现を加速させるマイルストーンとなります。
本研究成果は、2026年6月15日に、米国化学会誌Journal of the American Chemical Society (JACS)に掲載されました。
図1.水电解における酸素生成反応(翱贰搁)の反応スキーム。滨谤粒子のサイズが小さくなるほど构成滨谤原子の表面割合が増え、その活性が向上する。
【用语解説】
注1. ナノクラスター(NC):数個から100個以下程度の金属原子が直接的、または配位子を介して集まり、特定の骨格構造を持った微小な集合体のこと。
注2. 酸素生成反応(OER):水電解システムにおいて、陽極(プラス極)側で水を分解して酸素を発生させる化学反応のこと。この反応はエネルギーのロス(過電圧)が非常に大きく、グリーン水素を製造する際のシステム全体の効率を左右する最大のボトルネックとなっている。さらに、反応が進む強力な酸性環境に耐えうる触媒は極めて希少で高価なイリジウム(Ir)しかなく、その使用量を抑えつつ活性を高める技術の開発が世界中で急務となっている。
【论文情报】
タイトル:Precise Synthesis of ~1-nm Iridium Nanoclusters as a Catalyst for Efficient Oxygen Evolution
著者:川脇徳久*1,2 、佐藤虎太郎 2 、Xiaolin Liu3、神山真帆1 、新行内大和 2 、尾上雅季2 、D. J. Osborn4 、Gregory F. Metha4 、De-en Jiang*3、根岸雄一*1-2(1. 东北大学多元物质科学研究所、2. 東京理科大学カーボンバリュー研究拠点、3. ヴァンダービルト大学、4.アデレード大学)
*責任著者:東北大学 多元物質科学研究所 教授 根岸雄一
東北大学 多元物質科学研究所 准教授 川脇徳久
ヴァンダービルト大学 教授 De-en Jiang
掲載誌: Journal of the American Chemical Society (JACS)
顿翱滨:
问い合わせ先
(研究に関すること)
东北大学多元物质科学研究所
教授 根岸雄一
TEL: 022-217-5604
Email: yuichi.negishi.a8*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
东北大学多元物质科学研究所
准教授 川脇徳久
TEL: 022-217-5606
Email: tokuhisa.kawawaki.d8*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(报道に関すること)
东北大学多元物质科学研究所 広報情報室
TEL: 022-217-5198
Email: press.tagen*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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