2026年 | プレスリリース?研究成果
ナノ結晶を敷き詰めた光半導体電極で還元反応を駆動 ― 人工光合成などに使う電極材料を環境負荷の小さい方法で製造―
【本学研究者情报】
〇多元物质科学研究所 准教授 押切友也、教授 中川胜
〇学際科学フロンティア研究所(多元物質科学研究所 兼務) 教授 笘居高明
【発表のポイント】
- 超临界水热合成(注1)により、p型半導体の酸化ニッケルからなる粒径10~20 nm程度の高結晶性の酸化ニッケルナノ結晶(注2)を合成しました。
- 平板スタンプを用いるプッシュコート法(注3)により、ナノ結晶からなる膜厚100~500 nmの酸化ニッケル層の成膜に成功しました。
- 成膜した酸化ニッケル层は、有机溶媒やナノ结晶の使用量を抑えつつ光を当てたときの电流応答が膜厚に応じて规则的に変化する还元反応用半导体电极(光カソード)(注4)として机能することを証明しました。
【概要】
太阳光などの光エネルギーを化学反応に利用する技术は、将来のエネルギー?资源循环を支える基盘技术として期待されています。光を吸収して电子と正孔を生み出す半导体电极のうち、还元反応を担う电极は「光カソード」と呼ばれ、水素生成や二酸化炭素还元などの人工光合成反応への応用が検讨されています。しかし、光カソードを実用化するためには、反応に必要な电荷を効率よく移动できる高品质な半导体薄膜を、环境负荷の小さい方法で大面积に作製する必要があります。
東北大学多元物質科学研究所の押切友也准教授、中川勝教授らの研究グループは、東北大学学際科学フロンティア研究所および多元物質科学研究所の笘居高明教授、北海道大学電子科学研究所の松尾保孝教授、石旭准教授らと共同で、超临界水热合成によって高結晶性の酸化ニッケルナノ結晶を合成し、これを平板スタンプで基板上に押し広げるプッシュコート法により薄膜化することで、還元反応に利用できる酸化ニッケル光カソードを作製しました(図1)。従来法と比較したところ、プッシュコート法で得られた膜は表面凹凸が小さく、330 nmの紫外光照射下で約3倍高い光電流変換効率を示すことが分かりました。
本成果は、光を使って化学反応を进める半导体电极材料を、材料ロスや有害溶媒の使用量を抑えながら作製するための新しい方法として期待されます。
本研究成果は、2026年6月18日付けで、英国王立化学会の科学誌 Nanoscale Advances に掲載されました。
図1. 超临界水热合成した酸化ニッケルナノ結晶を用いた半導体光カソード膜の作製。オレイン酸を共存させることで、粒径10~20 nm程度のナノ結晶が得られ、粒子表面が有機分子で修飾されることにより有機溶媒中で分散しやすくなる。有機溶媒に分散させたナノ結晶を平板のPDMSで押印することで、粒子を膜状に整形する。分散液中の粒子やオレイン酸(添加剤、注6)の濃度を変えることで膜厚100~500 nmを作製でき、光を当てたときの還元反応に基づく電流応答が膜厚に応じて規則的に変化する光カソードとして扱える。
【用语解説】
注1.超临界水热合成
水を高温?高圧にして超临界状态にし、その中で无机ナノ结晶を合成する方法。超临界水では金属酸化物の生成や结晶核形成が速く进み、粒径の小さい结晶を得やすい。
注2.酸化ニッケルナノ结晶
酸化ニッケル(NiO)からなるナノメートルサイズの結晶。本研究では、粒径10~20 nm程度の結晶を合成した。1ナノメートルは10億分の1メートル。
注3.プッシュコート法
基板上に置いたナノ结晶分散液を平板で押し広げ、平板と基板の间の狭い空间で溶媒を取り除くことで薄膜を形成する方法。材料ロスや膜厚むらの低减が期待できる。
注4.光カソード
光を吸収して生じた电子を还元反応に利用する电极。人工光合成や光电気化学反応において、水素生成や二酸化炭素还元などの反応を担う。
注5.ラングミュア?シェーファー法
液面上にナノ粒子や分子を并べ、これを固体基板へ移し取る成膜法。緻密な薄膜作製に用いられるが、粒子や基板表面の状态に影响を受けやすい。
注6.オレイン酸
长い炭化水素锁を持つカルボン酸の一种。ナノ结晶表面に结合することで、粒子同士の凝集を抑え、有机溶媒中での分散性を高める。
【论文情报】
タイトル:Photoelectrochemically Homogeneous Nickel Oxide Photocathode Composed of Nanocrystals Prepared by Supercritical Hydrothermal Synthesis
著者: Tomoya Oshikiri*, Tomoki Kawase, Kaori Sato, Hazuki Ito, Takaaki Tomai, Keisuke Nakamura, Xu Shi, Yasutaka Matsuo, Hiromasa Niinomi, Masaru Nakagawa*
*责任着者:东北大学多元物质科学研究所 准教授 押切友也、教授 中川胜
掲載誌:Nanoscale Advances
顿翱滨:
问い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学 多元物質科学研究所 光機能材料化学研究分野
准教授 押切 友也(おしきり ともや)
罢贰尝:022-217-5671
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(报道に関すること)
東北大学 多元物質科学研究所 広報情報室
罢贰尝:022-217-5198
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