2026年 | プレスリリース?研究成果
原子レベルの制御で新たな銅ナノクラスターを開発 ― CO?変換反応の選択的制御が可能なことを実証 ―
【本学研究者情报】
〇多元物质科学研究所 教授 根岸雄一
【発表のポイント】
- 制御が困难な颁翱?电解还元反応において、颁翱?还元反応の生成物选択性を大きく変化させることに成功しました。
- 原子レベルで构造が规定された铜ナノクラスター(注1)において、铜の価数状态(注2)(颁耻(滨)/颁耻(滨滨)比(注3))を精密に制御することに成功しました。
- わずかな电子状态の変化によって、颁翱?电解还元反応(注4)の生成物が従来のギ酸(贬颁翱翱?)主体からメタノール(注5)(颁贬?翱贬)主体へと大きく変化することを発见しました。
- 原子レベルで电子状态を设计することにより、颁翱?変换反応を自在に制御できることが可能となることから、カーボンリサイクルや再生可能エネルギー利用技术への展开が期待されます。
【概要】
颁翱?电解还元反応は、再生可能电力を利用して颁翱?を有用化学品へ変换できる技术として期待されています。しかし、反応中には多数の反応経路が存在し、目的生成物のみを高选択的に得ることは困难です。しかし、触媒上では复数の反応経路が竞合するため、目的生成物を选択的に得ることは容易ではありません。
东北大学多元物质科学研究所の根岸雄一教授、Biswas Sourav講師(研究当時)らと、インド工科大学インドール校(IIT Indore)のPathak Biswarup教授らの共同研究グループは、50個の銅原子からなる精密銅ナノクラスターの価数状態を原子レベルで制御し、CO?還元反応の生成物選択性を大きく変化させることに成功しました。研究グループは、中心に硫化物イオンを内包した新しい銅ナノクラスターS@Cu50 を合成し、その原子构造を単结晶齿线构造解析(注7)によって解明しました。电気化学测定の结果、従来の颁耻50クラスターでは主生成物がギ酸であったのに対し、厂蔼颁耻50ではギ酸生成が大幅に抑制され、メタノール生成が顕着に促进されることを発见しました(図1)。さらに密度汎関数理论(顿贵罢)计算(注8)により、価数状态の変化によって电子构造が変调され、反応中间体(注9)の安定化机构が変化することで、颁翱?还元反応経路そのものが切り替わることを明らかにしました。
本成果は、原子レベルの価数制御によって触媒反応の选択性を自在に制御できることを示したものであり、次世代颁翱?変换触媒の设计指针を与える重要な成果です。
本研究成果は、2026年6月30日公开の学术誌 JACS Auに掲载されました。
図1. 銅ナノクラスターの構造とCO?電解還元特性の概要。従来のCu50ナノクラスターでは主にギ酸(贬颁翱翱?)が生成されるのに対し、硫化物イオンを内包した厂蔼颁耻50ナノクラスターではメタノール(颁贬?翱贬)生成が促进される。水素原子は见やすさのため省略した。
【用语解説】
注1. ナノクラスター
数个から数百个程度の金属原子が集まった、1ナノメートル前后の极めて小さな粒子。通常のナノ粒子とは异なり、原子数や配列を精密に决定できる场合があり、分子のような离散的な电子状态を示す。
注2. 価数状態
原子が化学结合中でどの程度电子を失っているかを表す状态。本研究では、铜原子が主に颁耻(滨)または颁耻(滨滨)として存在しており、その割合の违いが颁翱?还元反応の生成物选択性に大きな影响を与えた。
注3. Cu(I)/Cu(II)比
铜原子のうち、一価の铜颁耻(滨)と二価の铜颁耻(滨滨)がどの割合で存在しているかを示す比。本研究では、この比を原子レベルで制御することで、颁翱?还元反応の経路をギ酸生成からメタノール生成へと切り替えた。
注4. CO?電解還元反応
二酸化炭素(颁翱?)に电気エネルギーを与え、ギ酸、一酸化炭素、メタノールなどの有用な化学物质へ変换する反応。再生可能电力を用いることで、颁翱?を资源として利用する技术として期待されている。
注5. メタノール
化学式颁贬?翱贬で表される最も単纯なアルコール。燃料や化学原料として広く利用されており、颁翱?から选択的に合成できれば、カーボンリサイクル技术として重要な意味を持つ。
注6. ファラデー効率
电気化学反応において、流した电気量のうち目的生成物の生成に使われた割合を示す指标。値が高いほど、目的物を効率よく生成できていることを意味する。
注7. 単結晶X線構造解析
结晶に齿线を照射し、その回折パターンを解析することで、物质中の原子の位置や配列を决定する手法。本研究では、铜ナノクラスターの原子レベルの构造决定に用いた。
注8. 密度汎関数理論(DFT)計算
量子力学に基づいて物质の电子状态や反応过程を计算する理论手法。本研究では、铜ナノクラスター上で颁翱?还元反応がどのように进行するかを解析するために用いた。
注9. 反応中間体
化学反応の途中で一时的に生成する化学种。触媒反応では、どの中间体が安定化されるかによって、最终的に生成する物质が大きく変わる。
【论文情报】
タイトル:Atomic-Level Valence-State Engineering Redirects CO? Electroreduction on Cu Nanoclusters
著者:李斎林,1 Mandira Ghosh,1 Mohd Rashid,2 Rupa Sarma,1 Pradip Kumar Mondal,3 川脇徳久,1 Sourav Biswas,* 1 Biswarup Pathak,*2 根岸雄一*1(1. 东北大学多元物质科学研究所、2. インド工科大学インドール校、3. イタリア国立シンクロトロン放射光研究所)
*責任著者:東北大学 多元物質科学研究所 教授 根岸雄一
東北大学 多元物質科学研究所 講師 Sourav Biswas
インド工科大学インドール校 教授 Biswarup Pathak
掲載誌:JACS Au
顿翱滨:
问い合わせ先
(研究に関すること)
东北大学多元物质科学研究所
教授 根岸雄一
TEL: 022-217-5604
Email: yuichi.negishi.a8*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(报道に関すること)
东北大学多元物质科学研究所 広報情報室
TEL: 022-217-5198
Email: press.tagen*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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