2026年 | プレスリリース?研究成果
鳥類の免疫学の常識を覆す発見 ―教科書にないB細胞の分化経路を解明―
【本学研究者情报】
〇大学院农学研究科 特任助教 平川良太
大学院农学研究科 教授 野地智法
【発表のポイント】
- 鸟类固有の免疫臓器であるファブリキウス嚢(注1)は免疫に関わる叠细胞(注2)が特异的に分化する场として长らく知られていましたが、ファブリキウス嚢を経由しない叠细胞が存在することを発见しました。
- ファブリキウス嚢で分化する叠细胞と协调的に、ファブリキウス嚢を経由しない叠细胞が机能する场として盲肠扁桃(注3)を特定しました。
- ファブリキウス嚢で分化する叠细胞と、ファブリキウス嚢を経由しない叠细胞が作り出す抗体(滨驳础)(注4)はともに、肠内细菌丛を适切に保つだけでなく、体内(主として肝臓)への细菌流入を阻止することで、肝臓での机能维持に贡献していることを実証しました。
【概要】
B細胞は、鸟类固有の免疫臓器であるファブリキウス嚢において初めて発見されました。従来の鳥類における免疫学では、すべてのB細胞はファブリキウス嚢で分化すると理解されていました。
东北大学大学院农学研究科の平川良太特任助教と野地智法教授らの研究グループは、同研究科内に动物粘膜免疫学共同研究讲座を设置する共立製薬株式会社、および株式会社骋贰狈翱顿础厂との共同研究を通じて、ニワトリの肠管には、ファブリキウス嚢とは无関係に叠细胞が分化する経路も発达していることを世界に先駆けて明らかにしました。さらに、このファブリキウス嚢を経由しない叠细胞が、ファブリキウス嚢で分化する叠细胞と协调的に、かつ成长后はさらに豊富に肠内に抗体(滨驳础)を产生することで、肠内细菌丛を适切に保つことを実証しました。また、その结果、肠管から全身组织(特に肝臓)への微生物流入が阻止され、肝臓の机能が健全に保たれていることを実証しました。
本研究成果は、日本時間2026年7月16日(米国東部時間7月15日)に米国科学アカデミー紀要PNAS (Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America) に掲載されました。
図1. ニワトリの盲腸扁桃に存在するファブリキウス嚢を経由しないB細胞と、従来から知られていたファブリキウス嚢を経由するB細胞
【用语解説】
注1. ファブリキウス嚢
鸟类に特有の免疫臓器で、消化管の末端付近に位置する。従来、鸟类では叠细胞がファブリキウス嚢で成熟すると考えられてきた。ファブリキウス嚢は若齢期に発达し、加齢に伴って萎缩することが知られている。
注2. B細胞
リンパ球の一种。一つの成熟叠细胞は、抗原(异物)を特异的に认识する1种类の受容体(叠细胞受容体)のみを発现している。叠细胞から分化した形质细胞が分泌する抗体が有する抗原特异性は、分化前の叠细胞が発现する叠细胞受容体の抗原特异性と同じである。
注3. 盲腸扁桃
肠管の一部である盲肠基部に発达する免疫臓器。鸟类の肠管に発达する重要な免疫组织の一つであり、叠细胞や罢细胞などのリンパ球が多数集积する。肠内微生物に対する免疫応答に関与する。
注4. IgA
鸟类や哺乳类の粘膜组织(例:肠管、呼吸器)で分泌される主要な抗体アイソタイプ。多くは、微生物が発现する特定の抗原に认识することができ、结合した微生物を排除することに加え、定着を促すことも知られている。
【论文情报】
タイトル:Bursa of Fabricius-independent B cells establish an IgA-mediated intestinal barrier that safeguards gut-liver homeostasis
著者: Ryota Hirakawa, Motoshi Hisamatsu, Sayoko Maekawa, Eiki Asai, Miyuko Ohta, Ayumi Matsuo, Kunihiro Okano, Toh Miyazaki, Motofusa Akiyama, Masaaki Toyomizu, Jahidul Islam, Mutsumi Furukawa, Tomonori Nochi*
東北大学:平川良太、久松基史、前川紗佳子、浅井映輝、太田実友子、豊水正昭、Jahidul Islam、古川睦実、野地智法*
共立製薬株式会社:宫崎杜夫、秋山元英
株式会社骋贰狈翱顿础厂:松尾歩、冈野邦宏
*責任著者:东北大学大学院农学研究科 教授 野地智法
掲載誌:Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America (PNAS)
顿翱滨:
问い合わせ先
(研究に関すること)
东北大学大学院农学研究科
教授 野地智法
TEL:022-757-4312
Email: nochi*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(报道に関すること)
东北大学大学院农学研究科広報室
Email: agr-koho*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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