2026年 | プレスリリース?研究成果
葉柄の伸長を介して植物の競争力を高める鍵分子を発見 ―謎だったK+チャネルの机能を解明―
【本学研究者情报】
〇大学院工学研究科 教授 鱼住信之
【発表のポイント】
- 植物の碍+チャネル(注1)础碍罢5の输送活性の検出に初めて成功しました。
- 础碍罢5は植物の叶柄(注2)を伸长させる机能をもつことが分かりました。
- 农作物を高密度で効率的に栽培する技术への手がかりになります。
【概要】
植物の叁大栄养素の1つであるカリウム(碍)は、碍+チャネルを介して植物体内に吸収?循环されます。モデル植物シロイヌナズナには9种类の碍+チャネルが存在しますが、そのうちの1つ础碍罢5はその遗伝子の存在がわかってからの30年间、输送活性と生理的机能は不明のままとなっていました。
東北大学大学院工学研究科 魚住信之教授、村岡勇樹助教らのグループは同大学大学院生命科学研究科、生理学研究所、東京科学大学、東京農工大学などとの国際共同研究により、AKT5が特定の酵素による活性化を受けてK+输送活性を発挥することを発见しました(図1)。また、クライオ电子顕微镜(注3)によりAKT5の分子構造を決定し、活性化のメカニズムを明らかにしました(図2)。さらに、础碍罢5は植物の叶柄に集中して存在していました。AKT5を欠損させた植物は、葉柄が短くなり、密植条件で成長が低下しました(図3)。AKT5は高密度環境の植物の生存競争力を高める鍵分子と考えられます。今後、AKT5の活性制御メカニズムのさらなる解明により、農作物の生産性を維持しつつ高密度栽培を可能にする技術開発への貢献が期待されます。
本成果は、2026年9月3日午前3時(日本時間)に科学誌Science Advancesに掲載されました。
図1. リン酸化酵素によって生じるAKT5のK+电流
K+は電気を帯びているため、細胞内に輸送されると电流として観測される。
【用语解説】
注1. K+チャネル:カリウムイオン(碍+)の生体膜の通过を担うタンパク质。碍+の细胞吸収?排出を行う。
注2. 葉柄:葉と茎をつなぐ細長い柄の部分。ほうれん草や小松菜などの野菜では、葉を支えている根元の細長い部分(茎のように見える部分)がこれにあたる。葉柄が伸びることで、葉が高い位置に持ち上げられ、より多くの日光を受けることができる。
注3. クライオ電子顕微鏡:タンパク質などの微小な分子の立体構造を原子レベルで観察できる最先端の装置。試料を超低温(約マイナス180℃)で急速に凍結し、電子線を当てることで分子の「かたち」を直接観察することができる。2017年にノーベル化学賞の対象となった技術であり、近年は新薬開発などにも活用されている。
【论文情报】
タイトル:AKT5 is a bona fide potassium channel and controls petiole growth in Arabidopsis
著者:Yuki Muraoka, Shunsuke Kobayashi, Lisa Oskam, Michihiro Tateyama, Ayumu Masago, Yoshikazu Tanaka, Takeshi Yokoyama, Tadaomi Furuta, Hinano Takase, Ellen Tanudjaja, Shota Terashima, Haruto Shimizukawa, Taro Yamanashi, Shunya Saito, Hiroki Ijima, Miyuki Tanaka, Atsushi Miyamoto, Megumi Kato, Kanane Sato, Masaru Tsujii, Taishi Umezawa, Francisco J. Quintero, Francisco Rubio, J?rg Kudla, Masaaki Ito, Yoshihiro Kubo, Yasuhiro Ishimaru, Ronald Pierik, and Nobuyuki Uozumi*
*責任著者:東北大学 大学院工学研究科 バイオ工学専攻 魚住信之
掲載誌:Science Advances(オープンアクセス)
顿翱滨:
问い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学 大学院工学研究科 バイオ工学専攻
教授 鱼住信之
TEL: 022-795-7280
Email: uozumi*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(报道に関すること)
東北大学 大学院工学研究科 情報広報室
担当 沼泽みどり
TEL: 022-795-5898
Email: eng-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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